一転、今回は「外交」問題であります。
これについて岸田外務大臣は、「中国側からは事前に、『追悼式での台湾の扱いを理由に欠席する』という連絡があった。日本政府としては、『破格の支援を受けた台湾に対し、相応の対応を行う必要がある』などと説明したが、中国側には理解されず、極めて残念だ」と述べました。これは先日の東日本大震災の二周年追悼式で発覚した、中国、韓国の欠席問題についてであります。
一方で岸田大臣は、「日中関係は難しい局面にあるが、大局的な見地から、戦略的互恵関係の原点に戻って関係を深めるため努力していかなければならない」と述べ、日中関係の改善に努力する考えを強調しました。
また岸田大臣は、韓国の代表も追悼式を欠席したことについて、シン・ガクス駐日大使から、11日夜、河相事務次官に「欠席する意図は全くなく、事務的なミスによるものだ」と連絡があったことを明らかにしました。
(岸田外相「追悼式に中国欠席は残念」)
このうち、韓国の「事務的なミス」と言うのは、もちろん意図的な言い訳と言うわけでありますが、この両国の欠席と言う事実から、私たちは、中国および韓国と言う国家がいったいなにを考えているのか、いまいちど深く理解する必要があるのであります。
いずれにせよ、私たち日本国民の多くが思うのは、互いになぜ分かりあえないのか、理解しあえないのか、と言う嘆息する疑問であります。
これは、前回までの言葉で申しあげますならば、これは「バカの壁」問題であるのか、はたまた、「概念形成」問題であるのか。このどちらであるのかの認識であります。
養老孟司の「バカの壁」の中では、アメリカとイラクとの関係を、この「バカの壁」問題とみなしているのでありますが、中韓対日本の関係もまた、「バカの壁」があるのと言うのでありましょうか?
この疑問にお答えいたしますならば、これは決して「バカの壁」問題でもなんでもなく、正真正銘の「概念形成」問題であると言えるのであります。
これをご説明するのであります。
まずこういった外交問題を考える上で、一番重要なことは、「国家」とはなんであるのか。この国民の「認識」がいかなるものであるのか。これを「正しく」理解することで、問題の本質がクリアに見えてくるのであります。
すなわち、外交とは国家と国家の関係でありますから、それぞれの国民が持つ、自国あるいは他国と言う国家なる「概念」の違いこそが、そのまま、国家と国家の関係に現れてくると、かようにKAIは考えているのであります。
そこで、日本において、一人一人の国民が、いかにして「国家」と言う「概念」を形成するのか。これを考えてみるのであります。
思い出していただきたいのでありますが、みなさん、小学校、中学校、高校、いつの時点で「国家」と言う「概念」を獲得したかであります。
おそらくは、大半が中学生時代の歴史教育がきっかけではないかと思うのであります。
では、その前の小学生時代はどうだったでしょうか。こちらも推測ですが、この時代に国家なるものを意識することはなかったはずであります。
それは、まず一番最初にでてくるのは、お父さん、お母さんと言う「家族」でありまして、その次に出てくるのが、「社会」であるのであります。「国家」とは、この「社会」の延長線上にある「概念」として教育されてきたのであります。さらには「国家」のもうひとつ先の延長線上には「国連」があることも、容易に想像できるのであります。
これを「同心円」概念といいまして、同心円の中心に自分がいると言う「概念」であります。
これに対する、中国や韓国はどうか。
実は、かの国の国民が最初に受ける教育とは、現政権を担保する「国家」の「正統性」であります。国が子どもたちを教育する正統なる権利を有していることを、まずもって示すことから教育は始まるのであります。
この「教育」の結果でなにがおきるかといえば、それは「個人」と「国家」と言う二つの「概念」の分離であります。
あたかも、自分の友達の一人でもあるかのように、「国家」をみなすことができるようになるのであります。
この日本と中韓と言う2種類の「概念形成」の違いが、「国家」と言う「概念」の理解の違いを生み出したと言うわけであります。
そして、この理解の違いが、国家と国家の間の「主従」関係となって現れるのであります。
具体的には、日本人から見て、国家とは「主」であり個人が「従」となるのであります。でありますから、他国を「従」とみなすことはありえないことであるのであります。(自虐史観もこれから簡単に説明できるのであります)
一方の中韓といえば、これが真逆になるのであります。あくまで個人が「主」であります。国家は「主」になることもあれば「従」になることもあるけれども、決して個人が「従」になることはないのであります。
そこで、これらの考察を前提に、今回の「欠席問題」を考えてみれば、日本と言う国家を「従」とみなす両国からすれば、式典への欠席など非礼でもなんでもないと考えていることが、よくわかるのであります。
と言うことで、「概念形成」問題として今回の問題を考えますれば、正しい「国家」と言う「概念」を獲得できているのは、私たち日本ではなく中国であり韓国であって、私たち日本の国民の「国家」と言う「概念形成」には問題があると言わざるを得ないのであります。
さらに申しあげますならば、アメリカも中国、韓国同様の「概念形成」の国家と言えるのであります。
ただ彼らが「主従関係」において決して非礼をはたらくことがないのは、彼らの「ノブレスオブ レージ」によるものであるといえるのでありますが、このご説明はまた後日と言うことで、今回最後は、北朝鮮と言う国における「国家」の「概念」であります。
【ソウル=加藤達也】米韓両軍が11日、合同軍事演習「キー・リゾルブ」を開始したことに対し、北朝鮮は同日、朝鮮労働党機関紙、労働新聞などを通じて「今日から朝鮮戦争休戦協定が完全に白紙化された」と宣言し、「最高司令官(金正恩第1書記)が署名した作戦計画に基づいて全面対決戦に突入した」「砲身と戦略ロケットが発射を待っている」などと主張。同日、南北軍事境界線上にある板門店の南北直通電話を遮断した。完全に見透かされているのでありますが、窮鼠猫をかむとも申しますので、決して油断は禁物であります。(中略)
ただ、聯合ニュースによると、韓国には北朝鮮について、「ほえる犬はかみつかない」と指摘する国防省高官もいる。別の高官も、北朝鮮が軍事攻撃に踏み切る可能性に関し、「軍事恫喝(どうかつ)をてこに緊張感を極限まで高め、国際的な劣勢を逆転しようとする戦術だ」と冷静に受け止めている。
こうした中、北朝鮮は11日、板門店の南北直通電話を遮断したが、黄海側の最前線の回線では応答。南北が経済協力事業を行う開城工業団地でも通常通り韓国側からの入境を認めた。
(北朝鮮「全面対決戦に突入した」と宣言 米韓合同軍事演習に反発)
そこで、北朝鮮の「国家」の「概念形成」でありますが、これはきわめて単純であります。つまり、金日成→金正日→金正恩と言う流れの「金王朝」=「国家」と言う「概念形成」であり、「個人」=「国家」なる「概念」で構成されているのであります。
これはすなわち、すべての優先事項が、「金正恩」の生死のいかんによってのみ判断されると言うことであります。
「個人」が「物理的生命」の意味においてのみ生き延びるためになにをなすべきか、動機はいたって単純であります。
と言うことは、岩国ミサイル攻撃がいよいよ現実に近づきつつある、と言うことだったのであります。 KAI
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