オートパイロット・プロトコル

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すっかり年も明けて時間がたってしまいましたが、みなさまにはいかがお過ごしでしょうか。

年頭にあたって、この1年の指針となるものに、あれこれ思考をめぐらせているのであります。これが、今年はあれこれのまま拡散してしまって、なかなか収斂しないのであります。

と言うことで、突然ですが、みなさんは、運転免許証はお持ちでしょうか?

もし、みなさんが海外旅行先で、車を運転した経験がおありでしたら、なぜ異国でそのまま車の運転ができるのか。

こんな素朴な疑問を持った経験は、・・・、ありませんよね(苦笑)。

車自体の操作方法は、基本的に世界中で統一されているから、こちらはもちろん心配ないのであります。しかし、交通標識や車線の表示といったものは、信号の色以外に、共通性はあるのでありましょうか?

例えば、信号の右折表示は、日本では過去ユーターン禁止であったものが現在は可能になっている。

と言いますのも、Googleなどが推し進める車の自動運転であります。もちろん、この「オートパイロットシステム」には、信号の認識ルールをはじめとしたすべての交通ルールが「知識」ベースで組み込まれているはずであります。

ところがであります。

もし、直進する交差点の手前で前をトラックが塞いでいて信号を認識できない事態があったとして、認識したときすでに信号が赤であった場合、急ブレーキをかけるかどうか。これはそれぞれの国の交通ルールによって違ってくるのでしょうか。

あるいは、ガソリンスタンドに入ってからそこを出るまでの間の、交通ルールとは関係ない場合はどうすればいいのでしょうか。

唐突に、こんな話題を持ち出したのには、わけがあるのであります。

リアルな世界に、この「オートパイロット」を導入するには、まだまだ高い壁を乗り越える必要があると思われるのでありますが、しかし、このことは別の「事実」の存在に私たちを気づかせるのであります。

すなわち、私たちが住んでいる世界とは、とてつもない数の「ルール」、「プロトコル」の存在があり、これにことごとくの事象が支配されている現実であります。

しかも、ほとんどの「プロトコル」自体は、きわめてあいまいであり、これを機械的に解釈して運用するなどと言うことは、まったくもって不可能ではないかと思われるのであります。

更には、何を優先させるのか、その個人的あるいは社会的価値観の違いにより、結果はまったく違ったものになっていくのであります。

ところがであります。このような環境で、私たち自身を「オートパイロット」であるとみなすと、これはまったく異なる風景に見えてくるのであります。このいわば人間「オートパイロット」は、この巨大な「プロトコル」の塊を、あたかもただ一つの「プロトコル」であるかのように、いとも簡単に「運転」しているのではないかと思えてくるのであります。

確かに、この「プロトコル」を言語化することはできない。できないけれど、間違いなく、この「プロトコル」が存在する。KAIは、これを確信するのであります。

しかも、これはリアルだけではなく、ネットの世界でも同様なんであります。

確かに、車の運転同様、人による違いはあるには、ある。それでもしかし、ツイッターにしろその他のSNSにしろ、みなさんはこれらを使いこなしているのであります。

この事実から言えることは、リアルにおけるたった一つとも言える「プロトコル」同様に、ネットにおいても、たった一つの「プロトコル」の存在であります。

もし、これを「理解」することができたとするならば、人間に替わる「オートパイロット」も夢ではなくなるのであります。

KAIにとって、今年は、「アプリケーション・アーキテクト」として、これを徹底して追及していきたいと、かように決意するのであります。

本年もよろしくお願い申しあげます。 KAI

(補足)
例えば、この記事をお読みいただきたいのであります。

去年の10月にmixiは1年半停止していた足跡機能の復活をテストリリースすると発表している。しかしすでに遅しである。いまや大半の登録ユーザーはmixiに依存していない生活を送っている。いまからmixiで日記を書く気には少なくともわたしはなれません。だって書いてもいまのmixiじゃ数人しか見てくれないから。
mixi衰退の最大のミスは足跡機能廃止にあったという、いまさら解析いかがですか?

これは、人々のすでにできあがった「プロトコル」に逆らうことが、いかに難しいかの典型であります。