選挙もとりあえず一区切りついたことでありますし、このテーマでここに書くのも、そろそろ終わりにしたいと思うのでありますが、どうやらシステム側の仕掛ける情報戦に終わりの言葉はないようであります。
唯一つ、安倍政権が死守すべきことは、長期国債の名目金利の上昇を防止することだ。
これが株価上昇よりもGDP成長率上昇よりも、何よりも重要なことだ。
(安倍政権に望む経済政策)
ね、言ったとおりでしょう?
■最終目的:国債の金利負担の回避これを目論んでいるのは、いわゆる財務省と言う「システム」側であります。この意を受けて日銀が動いていると言うのは、暗黙の了解事項であります。
つまり、具体的には彼らの最終目的は「名目金利を低く抑える」ことでありますから、公式は次のようになるのであります。
(情報戦とは--孫子の兵法応用編・パート11)名目金利 = 実質金利 + 予想インフレ率
これは繰り返しになるのでありますが、まことに好い機会でありますので、あらためてこの「原理原則」をご説明するのであります。
世の中の経済法則を支配しているのは、「金利」であります。
しかも、単なる「金利」ではなく、それは「実質金利」と言われるものであります。
これをあらためて書くとこうなるのであります。
実質金利 = 名目金利 − 予想インフレ率
ここで言うところの名目金利とは、実際に取引される際の公表されている金利、すなわち利息のことであります。これが、国家の借金である国債においても、同様にこの「名目金利」でもって、利息を支払う必要があるのであります。
これが、例えば1%上昇すると、1000兆円の国債では、10兆円黙っていても増えることになるのであります。
このことをもってして、先の引用の記事にありますとおり「システム」側にとっては、なにがあっても最優先課題が、「名目金利」となる所以なのであります。
しかし、これが「本末転倒」を生むことになるのであります。
すなわち、利息の多寡にかかわらずこれをいくら払い続けても元本は減らないのであります。
元本を減らすためには、<返済額>から<借入額>を引いた金額がプラスにならなければならない。これはつまり具体的には、収入から(利息の支払を含めた)支出を引いた金額がプラスになることを意味しているのであります。
これを式で書くと、こうなるのであります。
<返済額> - <借入額> = <収入> - <利息> - <支出>
これを見れば一目瞭然であります。<利息>や<支出>をいくら減らしても<収入>自体がなければ、決して両辺はプラスにはならないのであります。
国の<収入>とは、税収のことでありますが、もちろんこれの一部である消費税をいくら上げたところで右辺がプラスになることは永遠にない。
では、どうすればいいのか。
その答えは<収入>全体を大きくすることであります。しかもこれ以外には、選択肢は残されていないのであります。
そして、その方法は、景気を良くして、GDPを大きくする。
でありますから、この記述がいかに「本末転倒」であるのか、よく分かるのであります。
これが株価上昇よりもGDP成長率上昇よりも、何よりも重要なことだ。
ここで、あらためて「実質金利」にお話が戻ることになるのでありまして、みなさんには、次のような新しい公式をご紹介するのであります。
<実質金利> = <通貨価値>
前回にもご説明いたしましたが、現在の円安傾向もすべてこれで説明がつくのであります。すなわち、安倍の金融緩和発言を契機として、予想インフレ率がプラスに転じたのであります。これが本文中段に掲げました公式により、実質金利はプラスからマイナスとなって、この上掲の公式により、「円」と言う通貨の価値も下落して円安となる。
円安が、株高を生む。株高により景気が回復し、デフレも解消する。好循環の連鎖となるのであります。
さらに、これを持続させるための構造改革、統治機構の改革が必須となるのであります。
こんな分かりやすい理論はないにもかかわらず、しかも現在の円安もまっとうに説明できないにもかかわらず、「システム」側の反論はこれを見事にスルーしてインフレ批判へと続くのであります。
と言うことで、長くなりましたので、本日はこれにてお仕舞い。 KAI
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