一連の実証的事実について

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いままでさんざん、ここで申しあげてきたことについて、このところのこの実証的事実を散見するのは、まことに慶賀に堪えないのでありまして、今回はこれをここにご紹介するのであります。

その一

福原が、団体戦準決勝、見事先鋒勝利であります。

4日前の女子卓球(シングルス)3位決定戦、石川佳純を破って、シンガポール選手として52年ぶりにメダルを獲得した、フェン・ティアンウェイを、福原は見事3-1でリベンジしたのであります。

これに勇気付けられた石川は、シングルス、ダブルスを打ち破って、銅メダル以上確定とのことであります。

この福原についてコメントしたのが、昨年11月。

たまたま観た今朝のNHKニュースに、あの卓球の福原が映っていた。これがまるで、別人だったのであります。

どう別人であったかと申し上げるならば、もうこれは間違いなく立派な大人の女の「アスリート」に成長していたのであります。

もう立派に大人だと言うのにいつまでもあどけなさが抜け切れない、いつも負けたときのひ弱い笑顔に、物足りなさをずっと感じてきたKAIにとって、テレビの中の福原は、表情だけではなく、身体全体から発するオーラが、世界一流の女子選手のそれであったのであります。
福原と錦織に何が起こったのか?、November 06, 2011

一人の「アスリート」の、その「脱皮」する瞬間に立ち会うことができると言うことは、まことに慶賀の至りなのであります。

その二

続いては、清武弘嗣であります。

 第9日の男子準々決勝でエジプトに3−0と快勝し、1968年メキシコ大会以来44年ぶりの4強入りを果たした日本は5日、マンチェスター市内での練習後、準決勝のメキシコ戦(7日午後5時=日本時間8日午前1時、ウェンブリー)が行われるロンドンへ移動。全3得点を演出したMF清武弘嗣(22)=ニュルンベルク=は、「男子も負けずに頑張りたい」と男女の五輪アベック金メダルを誓った。
清武、アベック金宣言!「手応えある」

ロンドンオリンピック、男子サッカー大躍進は、この清武の存在なくしては、なしえなかったと言っても過言ではないのであります。

目の前にディフェンス、その後ろにゴールキーパー。

高めのドリブルボールを左足でボレーシュート。と思いきや、そのままインサイドタッチでワンバウンドスイッチさせたボールを右足ボレーシュート。左コーナーへと思いきや一転右コーナーへの強烈シュートに、ディフェンス、キーパー、反応できない。

こんなシュート、見たことない。もちろんこんなサッカー、面白くないわけないのであります。

このボール捌きと風貌は、ロナウジーニョを彷彿させる。対韓国戦で絶妙のアシスト2本を決めた、清武弘嗣(きよたけひろし)であります。

やっと個人レベルで、欧南米の選手並みの技術を持ったプレーヤが現れた。
なぜいま清武弘嗣と小川淳司なのか?、August 23, 2011

こちらは、昨年の8月であります。

すでに歴史は、このときから駆動していたと言うことであります。

その三

そして、こちらはパナソニック、津賀一宏。

 パナソニックが31日発表した2012年4〜6月期の連結決算は売上高が6.0%減の1兆8144億円だったものの、リストラの効果で最終損益は128億円の黒字(前年同期は303億円の赤字)だった。四半期ベースでの黒字は10年10〜12月期以来、6期ぶり。ただ、欧州の需要低迷や新興国の成長鈍化、長引く円高が収益の重しになっており、13年3月期の業績予想は従来のまま据え置いた。
パナソニック、改革効果で最終益128億円 4〜6月期連結決算

こちらについては今年3月のレポート。

パナソニックは復活するのか?

この答えは、間違いなくYESであります。
(中略)
カルロス・ゴーン、竹中平蔵、津賀一宏に共通するのは、問題の本質を明確に理解していることであります。しかもこれを人にわかりやすく説明することができる。

この一点において、津賀一宏は、間違いなくパナソニックを再生させることができるのであります。
パナソニックは復活するのか?、March 29, 2012

まだまだ油断は禁物でありますけれども、その方向性に間違いはないのであります。

その四

さて、以下はあまり嬉しくない方の実証的事実であります。

女子柔道は、この影響が比較的少ないとはいえ、男女合わせて金メダルはせいぜい一個、残りのことごとくが銀メダルと銅メダルに終わると、KAIはいま、NHKの柔道中継を観戦しながら思うのでありますが、はてさて結果はいかなることになりますやら。 KAI
なぜ日本柔道は金メダルを取れなくなってしまったのか?、July 29, 2012

こちらは、直前のレポートとは言え、結果はこのレポートの通りとなったのであります。

はてさて、この「責任者」がいかなる「責任」をとるのか、見ものはこれからであります。

その五

そして最後は、日本銀行。

白川総裁以下「システム」側の「金融環境は日本は先進国で最も緩和的」であるとの主張を真っ向から否定するのが、この記事であります。

−−ただ星教授の論文では、各国・地域の中央銀行の総資産を比較して、やはり日銀の金融緩和が足りないと指摘しています。

:そうです。英イングランド銀行(BOE、中央銀行)などと比較して、日銀の金融緩和がいかに小さいかということが、このグラフから分かると思います。日銀は、今のうちにデフレ脱却のための金融緩和を徹底すべきなのは間違いありません。財政の方からインフレがくると、今度は人為的に歯止めのかけられないインフレになってしまいます。

 2012年2月の、一層の量的緩和に向かうかと思われた日銀の動き(「金融緩和の強化について」)には、かなり期待しました。しかし、その後のフォローアップが少なかったのと、相変わらず日銀は、こうした金融政策だけではダメだというネガティブな側面だけを強調しています。

 この時も、「目途」などと言わず「目標」とはっきり書けば良かったと思います。きちんと目標だと言って、やるだけのことはやると言った方がいい。
米カルフォルニア大学 星岳雄教授に聞く(上)、「ゾンビ」退治なくして経済成長なし

もちろんこのグラフの基準年、2007年1月時点で、日銀はすでに他の中央銀行にくらべて十分すぎる金融緩和を実施していたのかもしれない。

しかしながらであります。

いま日銀に問われているのは、「量的緩和」、すなわち「金融緩和の強化」であります。

このグラフは、これがまったく行われていないこと、つまり、日銀の「不誠実」、「無能力」を如実に示すものとなるのであります。

これに対する「反論」なるものを、一度KAIは聞いてみたいものであります。 KAI