一番大切なものは「家族」なのか?

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なるほど震災のあとであるからして、致し方ない結果であります。

 アンケートは8日、被災3県各2カ所の成人式会場などで面接方式で行った。有効回答数は110(男55、女55)。

 設問は、(1)震災後、改めて何が一番大切だと感じたか(2)これからも地元で働き、また暮らしていきたいと思うか(3)震災からの復興に自分も何か役に立ちたいと思うか−の3問。理由を書く自由記入欄も設けた。

 (1)については家族、友人、仕事などの選択肢を示したが、「どれも大切」とする新成人もおり、複数回答の数字が含まれている。

 集計の結果、(1)は「家族」との回答がもっとも多く、83人に上った。当たり前のように感じていた家族の大切さに気づいたという若者が多く、自由記入欄にも「最初に心配したのは家族だった」といった回答が目立った。次は「友人・恋人」と「地元(地域社会)」が多く、それぞれ20人と16人だった。
被災3県アンケート 一番大切なのは「家族」

しかし、KAIなら今回一番人気のなかった「仕事」と答えるしか他に選択肢はないのであります。

こんなことを言うと、決まって訊かれるのが、これ。

家族のために働くのではないのですか?

そんな人々にいってあげたい。震災後家族が一番って、これって「家族が一番頼りになる」ってことではありませんか?

そもそもにおいて、人にとっての一番には、まったくもって議論の余地はないのであります。それは「家族」を「命」に置き換えれば、これはより鮮明になるのであります。

すなわち、一番大切なものは、他のなんでもない「命」ってこと。

で、誰の「命」?

これが「自分」の命と答えた瞬間、「家族が一番頼りになる」といってるのも同然なんであります。

そうではなく、「家族」の命が一番大切と答えてはじめて、この議論の本質にせまることができるのであります。

つまり、「家族」の命のために「自分」の命を懸けるってことであります。「献身」であります。

実はこれがより明確なのが、一番大切なものは「仕事」であるとの答えなんであります。

「仕事」とは、自分のためではなく「他人」、すなわち「社会」にむかって「与える」ことを「仕事」と言うのであります。

そうです。勘のいい人はもうおわかりでしょう。

人にとって一番大切なもの。それは、「家族」でも「友人」でも「地域社会」でも、もちろん「仕事」でも、なんでもいいのであります。ただひとつ「与える」ものと言う条件さえついていれば。

かように考えれば、最初からこんな「条件」の必要のない選択肢である「仕事」こそ、「正解」と言えるのであります。

そしてこのお話は、そのまま前回の「手に入れたものはすべて失い、与えたものだけが残る」のテーマと直接かぶることがおわかりいただけるのであります。

先日学生時代の硬式庭球部の同期と新年会をしたのであります。みな工学部ゆえか技術畑を歩んでそろそろ定年。こどもたちはすっかり巣立って妻と二人だけの生活。

ではそのあと何するの?ノーアイデアとか。

やっぱり、「家族」も大事だけれども、一生続けられる「仕事」しかないのであります。

成人したみなさんにとって、これから40年か50年先のお話なんかまったくもって想像の埒外ではありますでしょうが、人生にとって最後に残るのは「仕事」であり、一生の「仕事」を得ることこそが人生の「宝」になることを、ほんのすこしだけでも心の片隅においていただければ、そんなあなたの一生は、きっとすばらしいものになると、KAIは思うのであります。 KAI