1週間、間が開いてしまいましたが、なにごとも集中するということは重要なんであります。おかげさまで、1週間の間に、良い仕事をすることができたのであります。
久しぶりにゆっくり深夜のテレビを眺めていたら、こんな番組に出くわしたのであります。
これを見て、以前お約束していたお話を思い出した。日本バドミントン史上初のオリンピックのメダルに最も近いといわれている二人、
末綱聡子選手(30)前田美順選手(25)ペア。
一躍脚光をあびた北京オリンピックから3年、世界ランクは3位にまで上がった。
末綱・前田ペアの強みは勝つことへのあくなきこだわりだ。
練習中、互いに激しく言い合う場面は関係者の間ではすっかりおなじみの光景だという。
自分にも相手にも完璧を求め、遠慮しあうことはない。
それでも試合になると二人の息はぴったりと合う。
末綱・前田ペアの戦い方は相手のショットを拾いまくってラリーに持ち込み、
末綱選手の絶妙なラケットさばきで相手のショットを乱し、
前田選手の強烈なスマッシュで決めるというものだった。
互いの長所を生かし好機を待つ。
しかし、世界の頂点を目指しこの夏、大きくスタイルを変えようとしている。
それは「攻撃的レシーブ」。
相手のスマッシュをネット際で、スマッシュ気味に強く打ち返すというものだ。
8月にはオリンピックの前哨戦となる世界選手権が、ロンドン・オリンピックと同じ会場で行われる。
勝負の夏に臨む末綱・前田ペアの戦いの日々を追った。
(アスリートの魂、メダルへの再挑戦 バドミントン 末綱聡子・前田美順)
なぜ格下のツォンガが、フェデラーに勝つことが、できたのか。そして、なぜジョコビッチには負けたのか。このお話は、先月の全仏での展開でありましたが、この全英、フェデラーが準々決勝でツォンガに負けなければ、全仏とまったく同じ組み合わせの準決勝、決勝になっていたのであります。
しかし、フェデラーがツォンガに敗れたために(この理由はまた別の機会に書きますが)、ジョコビッチが決勝に勝ち残って、そして大方の予想通りナダルに「勝利」したのであります。
まさにKAIの「予測」の「勝利」なんであります。
(希望は思わぬ処からやってくる)
スエマエペアが、いま苦悩している問題の解決にとって、これは重要なヒントとなるのであります。
「攻撃的レシーブ」へのスタイル変更。バドミントンのことを何も知らない素人のKAIが言うのもなんでありますが、この程度のことでは、今回の世界戦の結果のとおり世界ランクトップには通用しない。【ロンドン時事】バドミントンの世界選手権第6日は13日、当地近郊のウェンブリーアリーナで各種目の準決勝が行われ、女子ダブルスで第3シードの末綱聡子、前田美順組(ルネサス)は第1シードの王暁理、于洋組(中国)に0―2(8―21、15―21)で敗れ、決勝進出は成らなかった。
3位決定戦は行われないため、末綱、前田ペアは2007年の小椋久美子、潮田玲子組以来となる銅メダルとなった。
(末綱、前田組は3位=世界バドミントン)
なぜか。
すでに、以前のエントリー<全仏に学ぶ勝負の勝ち方あるいは「相性」の本質とは>でご説明したとおりでありますが、トップレベルの戦いは「予測」外ししかないのであります。「攻撃的レシーブ」と言うスタイルが明らかになった瞬間、「負け」確定なんであります。
結論を先に言ってしまえば、「スタイル」は決して変えてはいけない。「スタイル」とは変えるものではなく、「超える」ものであると言う真実なんであります。
もちろんトップレベルの戦いにおいてのお話ではありますが、トップレベルでたとえ「スタイル」を変えて勝つことができたとしても、これは一時的なこと。ずっと勝ち続けることはできない。それは、戦う相手が、変えた「スタイル」を常に超えてくるからに他ならないからであります。
すなわち「スタイル」とは攻撃のパターン。この相手の攻撃のパターンを「予測」し、また相手の「予測」をいかに外すか、これがすべてなんであります。
そこでツォンガとフェデラーであります。
ツォンガのスタイルとは、スピード。このスピードと言う「スタイル」が、今回の対フェデラー戦で磨きがかかった。それは、両手バックハンドのクロスのスピード。とにもかくにも、これが強烈なんであります。
実は、フェデラーこそこの相手のバックハンドクロスボールを「逆襲」する名人なんであります。フェデラーがジョコビッチと相性が良いのも、ジョコビッチ得意の両手バックハンドクロスを、フェデラーは絶妙のタイミングでダウンザラインのストレートでエースをとってしまうのであります。
これが、ツォンガ戦、ツォンガのクロスにラケットを合わせることさえできずにエースを食らう。いつもより明らかにツォンガはスピードを変えていたのであります。
これを「スタイル」を超えると言うのであります。つまり、「予測」していてもそれを超えると対応できないと言うこと。
しかし、これもジョコビッチには通用しなかった。続く準決勝では、同様に両手のバックハンドクロスに磨きをかけてすでに世界ランク1位のジョコビッチにとって、このスピードは「予測」の範囲内。
まことに、トップレベルの戦いとは、かように熾烈を極めるのであります。 KAI