ホームページ時代も含めると、すでにここに10年以上にわたって「思い」を書き綴っているのでありますが、この文章は、常にKAIにとって、「心のアース」の役割を果たしてきたのであります。
毎朝の散歩道、久しく遠ざかっているけれど露天の温泉で座禅、砧公園の古木の中のジョギング、すべて身体をアースするためのもの。この散歩道である大地こそ、人の生きる原点です。散歩を通して人体の電位をアースして大地と等しくする。これを毎日くりかえす。毎年温泉通いを続けてきたのも、露天で座禅を組みながら、身体すべてを大地と一体化する。
すると、いままでまるで鈍感であった身体が微弱なパルスに感応し始める。いままで見えなかったことへの視界が戻ってくる。原点への視界が戻ってくるのです。
そして、それはやがて恍惚となって身体エネルギーに昇華していくのでした。
こんな気持ち良い散歩は、ほんと久しぶり。
(原点回帰)
これが、なぜかこのところ、うまく「アース」ができない日々が続いてきたのであります。
そして、今朝きた新聞の中のコラムを読んで、この原因がわかったような気がした。
「小さくとも善の心を持って」実際「欲も得もなく人の為に」尽くすことはなかなか実行できるものではない。しかし、誰でもせめて人のために安穏であるよう祈ることはできる。「何もできない」とパラドックスにとらわれる人は、いまだ善の心をもてる人である。小さくても善の心を持って世の為、人の為、家族の為、ひいては己の為になるように、生を慎み深く考え味わうことが、今の世には大切なことであろう。(せん げんしつ)
(【一服どうぞ】裏千家前家元・千玄室 小さくても善の心もって)
おそらく、これだなと思うのであります。
このところの言わば「バカ疲れ」の影響であります。あまりにも「バカ」で「恩知らず」に、精神のバランスに支障を来していたのでありますが、やはり「小さくとも善の心を持って」生きる以外にはないのであります。
これもまたシンクロニシティ。WOWOWで観た韓国映画に、テレビの前からしばし動けなかった。
圧巻は、夫に悪態しかつけない老婆に抗しきれず、老牛を市場に売りに行く場面。こんな老いぼれ牛ではと買いたたかれ、なら売らないと啖呵を切る老人。そばでそれを見る老牛の頭部を、カメラがズームアップする。とすると、牛の眼に涙がきらりと光っているではありませんか。80歳の農夫と40歳の牛の生を淡々と映し出した感動のドキュメンタリー
▼生涯,土地を守って暮らしてきた農夫チェ老人には,30年間使ってきた牛が1頭がいる。牛の寿命は,普通15年だが,この牛の年齢は,何と40歳。生きていることが信じられないこの牛は,チェ老人のベスト・フレンドであり,最高の農機具で,唯一の自家用車だ。
▼耳がよく聞こえないチェ老人だが,かすかな牛の鳴き声もおばけのように聞こえ,片足が不自由だが,牛に食べさせる草を刈るために,毎日山に登る。
▼その上,牛に害があるので,畑に農薬を撒かない意地っ張りだ。牛もまともに立つことができないが,チェ老人が手綱をとれば,山のような多くの荷物も厭わず運ぶ。
▼無愛想な老人と,押し黙っている牛。両者は,皆が認める友人だ。そんなある春,チェ老人は,獣医師から「牛が今年を越すことができない」という宣告を聞く。
(牛の鈴音)
40年も人間と一緒に生きると言うことは、こう言うことなんだと。
そして、そろそろ最期かと言うときに、老人は横たわる牛の鼻輪を鎌で切って取り外す。使役から解き放してやるのであります。
老農夫と牛の関係は、決して特殊でもなんでもない。生命と生命のつながりの根源は、これしかないのであります。
他人から奪うことしか頭にないものからすれば思いもよらないことでありましょうが、人は人に生かされている。人は、他人や動物たちの生命によって生かされているのであります。
決してこれを忘れてはいけないし、自分もまた「小さくとも善の心を持って」人のためになすことを忘れてはいけない。つまりはこう言うことなんであります。
前回取り上げた彼女たちも、全く違うかたちで、これをなしているのであります。
全力で戦う姿は、人に生きる勇気と希望を与える。サッカー・女子ワールドカップドイツ大会は9日(日本時間10日)準々決勝を行い、日本は3連覇を狙う開催国のドイツを延長の末、1−0で下し、史上初の4強へと駒を進めた。
日本は0−0で迎えた延長後半3分、沢の右サイドへのパスに走りこんだ丸山がディフェンダーと競り合いながらゴール左隅に決めて1−0と先制。その後のドイツの猛攻をしのぎきった。
日本は日本時間の14日未明、豪州とスウェーデンの勝者と準決勝を行う。
(なでしこ、1−0で独下し史上初の4強)
決して自分たちだけのために戦っているのではないことを、彼女たち自身は無意識のうちにこれを一番よく知っているのであります。
このお話を含めて、今回は、これとまったく逆のお話を書こうと思っていたのですが、これ以上の説明は無用であります。続きは次回にして、ひとまず、おめでとう! > なでしこジャパン KAI