3.11以降、今ほど、専門家と言われる方々の価値が毀損した時代は、かつてなかったのではないかと思うのであります。
地震予知しかり、津波対策しかり、原発電源断しかり。
そしていま、これが経済にまで及ぼうとしているのであります。
なぜ円が売られるのか。円が売られている。今日のドル円相場は1ドル85円以上で取引されている。一方で日経平均株価は下落した。実態はどうであれ、トヨタ自動車やキャノン、ソニーのような輸出産業に経済が牽引されていると信じられている日本は、円安になれば株価が上がり、円高になれば株価が下がる、ということを繰り返してきた。日経平均株価とドル円レートはきれいな逆相関を描いていたのである。しかし311以降、この関係が崩れ始め、今日はまさに逆になった。つまり円が売られドルやユーロに対して安くなり、同時に日本株も売られ安くなったのである。
(円安で株価が上昇しなくなった)
その訳をご説明する前に、みなさんはなぜ「円安になれば株価が上がり、円高になれば株価が下がる」のか、この訳をどのように理解されているのでありましょうか。
これを専門家と言われる方々は、「逆相関」ととらえてあたかも両者が互いに従属変数の関係にあるかのように論じてきたのであります。まるでその根拠もなしに、であります。(互いに対して独立変数であるのが正解)
この「逆相関」が崩れたことに対して、この記事のコメントにあるように、これは一時的でありやがて収斂するとの意見もありますが、KAIはまったくもってそうではないと考えるのであります。
なぜ円が売られるのか。あらためて、この答えを申し上げるならば、それは市場が「メッセージ」を要求しているからであります。これに株価はまったく関係ないのであります。
ではこの「メッセージ」とは何か。
それは、「円」、すなわち、「日本国」と言う国家の安定に向けて、どうするんだと言う明確な意志、これこそが「メッセージ」であり、具体的には国家のリーダーの「言葉」以外には、これに代わるものはありえないのであります。
もちろん、この実現ももはや期待することすらできない状況においての、「円安」なんであります。
20年以上会社を経営してきたとは言え、「経済学」の素人であるKAIでさえ、こんなことは簡単に分かることであります。
KAIに言わせればマーケット、すなわち市場とは、すべて「気」の世界なんであります。
さて、ここで、今回の「円安」には、もう一つの重大な意味があることを指摘しておく必要があるのであります。
震災国債の日銀引受問題であります。
いわゆるマクロ経済の専門家と言われる方々、および彼らの言説に誘導される多くの賢明なる方々が、これに激しく反対されているのであります。
これにマーケットは、いかなる反応をしているかと言えば、「メッセージ」なき日銀引受への戒めであります。すなわち、専門家達が指摘する通りの「円」の毀損を、マーケットは予め「円安」で警告していると考える必要があるのであります。
この本当の意味が理解できるならば、日本のリーダーの「メッセージ」が期待できないいま、発すべき「メッセージ」とは、(ある)政治家の、「その帰結に対する責任」を最後までとる覚悟に基づく国債発行以外にはないのであります。
またまた、わかりにくいもの言いですまない。
要するに、市場に、おれにまかせろと、責任ある政治家が言いさえすれば、日銀引受なんてまるで関係ない。円はあいかわらず安定し、信認されることは間違いないのであります。
なぜなら、それは「気」だから。そう言うことなんであります。 KAI