避難したい人と、避難しない人、人間の格が問われていると思う

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そんな都合のいい手段など、まったくもってあり得ないし、そもそもそう考える自分自身の手前勝手を、根本から考え直す必要があるのであります。

内田樹先生

お忙しい中、お返事本当にありがとうございます。
一主婦として、この状況に立ち向かう術がなく、無力感に襲われていました。

夫は現在、避難を希望しているのにも関わらず、勤務先が営業している為に避難出来ない状況です。
上司・並びに会社側は、行政判断の30キロ圏外であるため、避難の必要がないとの判断を下しています。
自主的に避難すれば解雇となるでしょう。
(中略)
追伸
避難区域の見直しを待たずに、解雇される事なく夫が避難出来る手段があれば、どうかアドバイスをお願い致します。
読者からのメール

避難は命を守るため。これに解雇されない条件が付く理由は、ただ一つ。命を守るための避難ではないってことであります。

単に不安だから避難する。

もし、これをすべての国民が実行するとするならば、その収拾がつかなくなるのは、誰が考えても当たり前のことなんであります。

ひるがえって、ほんとうに命を守るための避難であるならば、解雇などまったくもって、関係ない。命があればこその雇用。どうとでもなるし、逆に危険を無視したまま残った企業の従業員の大半が過度の被爆で働くことができなくなるのですから、万が一この企業が生き残ったとしても働く者が残ってはいない。雇用の心配など皆無と考えるべきなのであります。

ここに、震災のまっただなかの現場に直面し、あの日以来毎日24時間ずっと必死で戦っている一特別職公務員のメールを紹介するのであります。

大変ご心配をお掛けいたしました。また、心励まされる見舞いのメールを頂戴し、誠にありがとうございました。今日で地震発生から9日目、ようやくインターネットが使えるようになりました。今回は報道されてますように、地震より津波の影響が大きかったと思います。おそらく○○市の死者は1万人を超すでしょう。こんな災害への対応は未経験ですので、あちこちで叱られ、罵倒され、少々へばってます。また町の惨状は酷く、まさに地獄です。この後の復興にはどれだけの時間を要するのか、考えると気が遠くなります。今夜も市役所の自室の応接セットで休むことになりますが、早く風呂上がりの一杯を楽しみたいものです。本当にありがとうございました。

これを読むだけで、胸が痛みます。

郡山の主婦の方には、ぜひ理解していただきたい。

命を守ると考えるのであれば、すぐ避難されるのがよろしい。雇用など関係ないのであります。

たまたま単身赴任でなった副市長。

市庁舎で勤務時間中であったことが幸いし、自宅が流されてしまっても生き残った。

「叱られ、罵倒され」ながら懸命に、「人の命を守るため」この男は戦っている。

避難するも、避難しないも、ともに「人の命を守るため」、いますべての人に覚悟せよ、神はそう告げている、KAIはいまそう思うのであります。 KAI