今回の、大学入試問題が試験中にネットに漏洩していた事件の本質は、何か。
一人の受験生の、方法は斬新ではあるけれども、単なる昔からある「カンニング」の一種にすぎない。実質的な影響と言えば、もしこの受験生が合格したとして、もう一人の受験生が不合格になるにすぎない(不運ではあるけれど)と言う、これは昔からの「カンニング」で起こる事態と、なんら変わりはないのであります。
にもかかわらず、当局を含めた世間が騒ぐのは、試験中に問題がネットに「公開」されたと言う事実、この一点にあるのであります。
もしこれがネットに公開されるのではなく、間違いなくいる共犯者(達?)の中だけで解答を得ることができていたなら、これだけの騒ぎになることもなく、そもそもこれがバレルこともなかった。
と考えれば、こう言う行為は、単にネットに公開されなかっただけで、ずっと以前から頻繁に行われていたかもしれないのであります。
それはさておき、ネットに「公開」の問題と言えば、尖閣ビデオ流出問題。
共通するのは、「主権」の侵害。一方は、国家権力であり、もう一方が、大学当局。
今回の京大当局による、駿足の告発会見が、これを見事に物語っているのであります。
記者会見で、京大当局は、そう申されているのでありましょう。「試験問題を公開する権限は、オレ達にあるんだ。」
こうお答えするしかありませんが、近い将来、間違いなくこういった製品がちまたにあふれる事態にどう対処するおつもりでしょうか。「ハイ、ハイ、確かに」
AR(オーグメンティッドリアリティ)社会においては、個人が目撃する映像がリアルタイムでネットで公開され、また逆に、リアルタイムに個人に流入してくる。
試験会場だけではなく、カメラやビデオ持込禁止の劇場といったところも、普通のメガネと見分けのつかないAR製品が出回るようになったとき、はたしてこれを禁止する術はあるのでしょうか。
更に言えば、眼球自体と言う肉体の一部がアンドロイド化しはじめれば、おおよそ禁止すること自体が不可能になるのは目に見えているのであります。
いみじくも、今回の事件は、AR社会における「権力」の無力化を見事なまでに警告する、そう言う本質を持つ事件であったのであります。
そして、こちらは平穏無事な週末テニスにも、変化の兆しが。
土曜、1-6、6-4、6-4、0-1(0-7)。やっとのことで、ウッシー、サコタペアに2連勝。人間は、ちまた進化するのであります。
日曜、2-6、6-2、3-6、1-2と、O谷さんの4連勝で、こちら進化なし。 KAI