サロゲートが警告する“邪悪社会”

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突然、WOWOWの映画が、面白い。

近未来、人類の98%は自らの身代わりとなる“サロゲート”というロボットを日常生活に使用していた。ある深夜、青年と若い女性がクラブ前で殺された。その二人は実はサロゲートで、眼球を破壊され、IDチップも黒こげになっている。FBI捜査官のグリアーとピータースが女性のサロゲートの持ち主を訪ねると、太った男が目から血を流し死んでいた…。サロゲートの破壊により持ち主まで死んでしまうという、未曾有の事件が発生した。
[ 2010年1月22日公開 ]
サロゲート

脳神経とリンクさせたロボットやクローンが、生身の人間の身代わりとして活躍するのは「アバター」と同じ。この「アバター」も、いつのまにかすでに3回も観たKAIでありますが、「サロゲート」と「アバター」の意味するところはまるで反対、180度違う。

すなわち、「サロゲート」は「邪悪」であり、「アバター」は「善良」であります。

また突然ワケワカメなことを言うと嘆くなかれ。

ゆっくりご説明しましょう。

「アバター」の「善良」は、この映画を観たことがある方なら、すぐわかるはず。しかし、「サロゲート」が「邪悪」とは、少々説明が要るのであります。

ポイントは、「人類の98%は自らの身代わりとなる“サロゲート”というロボットを日常生活に使用していた」の部分であります。上記引用したこの映画の冒頭。安全なはずのサロゲートの「本人」がサロゲートと共に殺害されたのは、サロゲート生みの親、キャンター博士の息子だった。

ドラマは展開し、最後、人類の98%を殺そうとするキャンター博士から、これを阻止するブルース・ウィリス演じるFBI捜査官トムによって人類は寸でのところで救われるのですが、サロゲートは一斉にすべて機能停止するのであります。

このお話が極めて示唆的だと思うのは、KAIだけではないはず。

それは、私たちの分身、だけでなく本人までが、たちまちにして機能停止や生命さえも奪われる事態が起こる、そう言う可能性であります。

そんなことは、映画の世界、フィクションだと思うあなたは、幸せであります。

現実にこれが分身世界で間違いなく、進行し始めたのが、フェイスブック。

サロゲート同様、便利だからと圧倒的支持を得て普及し始めたフェイスブックは、20XX年IT社会の98%人類に普及しているかもしれない。

その生命まで脅かすかとは言えないまでも、あなたの分身の「生命」は間違いなくフェイスブックの手中にある。

Don't be evil

邪悪になるなとは、かの有名なGoogleのモットー。

であるにもかかわらず、Google八分を始めとして、いまや自分たちの力が及ぶ世界では実質的にやりたい放題なんであります。

これが分身だけかと思っていたら、なんと私たち生身の身体も、フィクションだけではない現実の話のようであります。

当然、北海道の農民としては、米国農産物の価格破壊により壊滅させられるより、遺伝子組み換え作物の受け入れに踏み切るしかなくなるだろう。米国は国策会社のモンサント社を通じて食料資源戦略を世界的に発動しており、その基本戦略が遺伝子組み換え作物の世界的な普及推進である。米国モンサント社は、ベトナム戦争で悪名高い枯れ葉剤を製造していた化学会社で、その後は農薬を製造していたが、チマチマ農薬を造っているより、その農薬に耐性のある遺伝子組み換えの種苗を生産する方が百倍儲かると現在のような企業に様変わりした。しかし、この会社は、私にいわせれば人類史に残る極悪な企業だ。

何が極悪かといえば、遺伝子組み換え種子の知財権を握り、世界中の農民を支配・搾取し、食料を米国の覇権構築の手段にすることを明確に意図しているからだ。しかも、その意図を実現するために、自社の種苗の安全性は確認されているとし、自然界の作物が持っている遺伝子を汚染することを厭わない。ブラジルのように遺伝子組み換え作物を拒否していた国に対しては秘密裏に遺伝子組み換えトウモロコシを密輸してばらまき、在来種の遺伝子を汚染させ遺伝子組み換え作物を既成事実化させるというようなあくどい所業を行っている。
トヨタ“シロ裁定”に潜む、TPPの罠に覚醒せよ

モンサント社について別途調べてレポートしますが、かように私たちは「邪悪」社会を生きざるを得ない事態に至ったことを、すなおに認めるしかないのであります。もちろん、これに負けない生き方も含めて。そう言うことなんであります。 KAI