メディアの病と予知能力的週末テニス

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今週のお題は、期せずして「メディアの病」2題。

まず、毎日新聞論説委員の「メディアの病」。

「何年か前、さる大学に新設された大学院教授と話したことがある。『高度な専門知識を持つ職業人を育成したい。新聞社への就職も期待していますので、よろしく』。そうのたまうので、思わずツッコミを入れてしまった。『就活の開始時期が早過ぎて学部教育がおそろかになっている。それを放置しながら大学院で職業教育というのは本末転倒じゃないですか。』」
 この論説委員がどうして新聞社への就職を懇請した教授に対して自分には「ツッコミ」を入れる権利があると思えたのか、私にはどうしてもわからないのである。
「就活の開始時期が早過ぎる」というのは誰がどう考えても大学の責任ではない。
雇用する側の責任である。
(中略)
それについての大学に対する「謝罪の言葉」というのを私はかつて一度も聴いたことがない。
繰り返し言うが、就活の前倒しで学部教育を空洞化しているのは、雇用側の責任である。
「ツッコミ」を入れる権利があるのは、「本社は大学の学部教育を支援するために、在学中から就活をするような学生は採用しません」と宣言している企業だけである。
このコラムにはまだ続きがある。
「謹厳な教授はしばらく黙ったのち、こう応えた。『おっしゃる通り』」
この「謹厳な」大学院大学教授は何を考えてこんな返答をしたのであろう。
もちろん、「あなたに同意する」という意味であるはずがない。
おそらく、「しばらく黙った」のは対話の相手の知的な不調に驚いて絶句したのであろう。
「おっしゃる通り」というのは「言いたいことはよくわかった」と同じで、「早く帰れ」を含意していたのであろう。
高等教育の不調の原因が専一的に大学側にあること、これは動かしがたい事実である。
けれども、「就活の開始時期が早過ぎる」というのは、企業人が大学人に向かって他責的な口ぶりで言える台詞ではない。
おそらく、つねに他責的な口調でシステムの非をならしているうちに、「自分自身が有責者として加担している問題」が存在する可能性を失念してしまったのであろう。
メディアの病は深い。
メディアの病

要するに、メディアのスタンスに、問題解決に対する「当事者意識」が決定的に欠如していることであります。

そしてこちらは、産経新聞。

 日本人のノーベル平和賞受賞者は、沖縄返還の故佐藤栄作氏しかいない。そこで提案だが、日本政府は「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(通称・家族会、飯塚繁雄代表)にノーベル平和賞が授与されるように働きかけてはどうだろうか。

 日本人のノーベル平和賞受賞者は、沖縄返還の故佐藤栄作氏しかいない。そこで提案だが、日本政府は「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(通称・家族会、飯塚繁雄代表)にノーベル平和賞が授与されるように働きかけてはどうだろうか。

 政府はここ数年、拉致被害者救出に何の手も打っていない。幸い、ノーベル平和賞だけは団体の受賞が認められている。家族会は、一人一人は何の力ももたない市井の人の集まりだ。その彼らが悪辣(あくらつ)な犯罪国家に敢然と立ち向かっている。日本だけでなく、世界で拉致被害者の救済を訴えている。設立から13年、家族会こそは平和賞を受賞するにふさわしい。受賞となればまた新たな進展も期待できよう。

 繰り返すが、政府は、何もしないのなら、せめて中国政府とは逆の働きかけをノーベル賞委員会にしてはどうだろうか。(編集委員 大野敏明)
【from Editor】家族会にノーベル平和賞を

この編集委員に悪意はないのはわかっている。単に無策の日本政府を皮肉っただけと言いたいのでありましょうが、これはいかにもおかしい。

拉致問題に関して言えば、この政府の無策を報道する責任は、一義にも二義にもメディア側にあるからであります。

どのメディアでもいいから、「拉致問題、今日の動向」と言うタイトルのコラムを毎日欠かさず掲載して、行動した事実だけではなく「行動がない」ことの事実を報道するだけで、どれだけ家族会の手助けになることか、よく考えていただきたいのであります。

メディアの役割とは、中立的第三者を装うことでもなければ、政府を一方的に批判することでもない。それは、私たちの社会が抱える問題を、当事者として国民と一緒になって解決する、そのための第4の権力が与えられているのであります。

この当事者責任と言う意識の決定的欠如。これを「メディアの病」と呼ぶのであります。

予知と予測の違いも、実はこの当事者意識にあるわけでありますが、今週の週末テニスもまた、予知能力のフォース炸裂であります。

今週の日曜、どうしても仕事で参加できないと言うY木さん。替わりの人に声を掛けるも、まったくだれも都合が悪い。しかも台風接近で土日とも、降雨確率80%。はてさてどうしたもんかと、あきらめかけた瞬間、閃いた。

土曜は間違いなく雨だけど、日曜は晴れる。であるならばY木さん、土曜仕事でお休みにして日曜は出てくださいよと、電話をかける。土日雨になることを祈ってしぶしぶOK。

そして日曜。予知能力の存在を証明するかのように、朝から晴れ。

結果は、6-3、1-6、3-6、4-3と無難に2勝2敗。

いよいよ11月。正念場であります。 KAI