甘い検察(2)

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げに女は恐ろしい。脇の甘い男は、かように女の毒牙にかかっていくのであります。

負けがないと見た瞬間、反転、徹底してたたき始めたのであります。男ならここまでやらない。

と言うことで、前回のエントリーで、今回の「絵」を描いたのが「弁護側」と書きましたが、これが見事「女」が描いたものであることが判明したのであります。

今回検事緊急逮捕のFD。このFD、これがフロッピーディスクの略であることを知らない世代に移りつつある今、実に興味深い事実が浮かんでくるのであります。

報道写真を見ると、元係長が偽造したとか言う公文書は一太郎で作ったもののようであります。官庁のパソコンにインストールされているワープロソフトは、一太郎。元係長の自宅から押収されたこのFDが、役所で作って持ち帰ったのか、自宅にノートパソコンを持ち帰って作ったものかは不明ですが、印刷した現物の紙を見ればこのFDを使って役所のプリンタで印刷したのは間違いないのであります。

ここから、果てしない疑問が次から次へと浮かんでくるのであります。

このFDを使って役所で印刷したのは、2004年6月。これが元係長の逮捕の時に自宅で押収されたのが、2009年5月。なんとまるまる5年間もの間保存されていたものであります。

そして、この逮捕の3ヶ月前には、検察は関係者の逮捕に踏み切っているのであります。

元係長の立場からすれば押収されるとわかっている、証拠となる5年も前のFDをなぜわざわざ自宅に保存したままにしておくのか。普通は逮捕される前に破棄するでしょうが。

そのわけは簡単であります。

証拠として検察に押収させたいがため、これ以外にはないのであります。

逮捕された検事もなさけない。押収時点で、このFDの作成プログラムを見ればよかった。報道写真を見れば一目瞭然、一太郎2008。一太郎2008で、2004年6月に、いったいどうやれば文書を作れると言うのか。いえいえこれはコピーや更新途中で、2004年より古いバージョンの一太郎が書き換わったものと言い逃れをするかもしれない。いまとなってはオリジナルが存在しないので、証明しようがないと思いきや、さにあらず。

FDがコピーでもなんでもいい。上に書いたように、役所のプリンタで印刷したんだから、寸分たがわず同じものが印刷されないとおかしい。なぜならバージョンが違っても同じ一太郎データなら基本的に同じプリントになるからであります。

公印を押した偽造文書は押収されているのだから、この二つを光にすかして較べてみるのは簡単なんであります。

え、役所のプリンタが当時のものがないからダメだって。役所ですから、購買記録も万全。当時のプリンタの機種なんかすぐ分かるんであります。もちろん当時インストールされていた一太郎のバージョンも含めてであります。

まず間違いなくスペースの位置が微妙に違っているはず。だって2009年2月に作ったんだもん。

さてここで百歩譲って、この押収されたFDは、2004年6月作成のオリジナルとしましょう。もちろん作成日は6月8日であったものを、前回のエントリーに書いたとおり検察を罠にはめるために6月1日1時14分32秒に作り直したものかもしれない。

このロジックも石井一のゴルフ場と一緒であります。凛の会からの催促の日付とFDの日付の間に矛盾が生ずるようにするってことであります。逮捕前であれば、公人でないかぎり、5年も前のスケジュールをいじるなんて朝飯前。実は会からの働きかけは5月31日だったものを、6月8日と供述。この場合は、FDを操作する必要はさらさらない。

6月8日の働きかけを示す動かしようのない供述以外の証拠が残されていたとすれば、FDの日付をいじるしかない。

こうしてまんまと押収させたFDを前にして、当然のように検事は証拠として使えないじゃないかと、途方に暮れたのであります。裁判所にも証拠申請はできなかった。

押収から3ヵ月後、元係長に返却する直前、検事はぶつぶつと言いながらなにやらパソコンをいじり始めた。

ほんとにまんまとはめやがって。この6月1日は、絶対に6月8日なんだよ。こうすれば、ほら6月8日になっただろう。どうせ証拠として使えないんだから、いいだろう。

かくして、逮捕検事の捏造FD、一丁できあがり。ばかだね。女からすれば自分の無実を証明するための、大事な大事な証拠物件。

でもね、すでに無罪が確定してしかもこのFDは元係長のもの。それをなんで女が手に入れねほりはほりやるのか、このことだけをとっても、自分の無実を証明する証拠を壊された女の恨みの念を感じないわけにはいかないのであります。

かように女は恐ろしいのであります。男は自分が脇が甘いと自覚するなら、こう言う女をお縄にしようなんて、ゆめゆめ考えてはいけないのであります。 KAI