久しぶりに、胸のすくような話題に出会ったのであります。
このところKAIは悩んでいたのであります。なんでこんな苦労まで(自分がじゃなく一緒についてきてくれている仲間たちが)強いられて、この事業をやり続ける意味があるのか、と。好きなことをやり遂げる方法
自分の思うようにゲームを作るには、まず、自分で金を用意しなければはじまらない。そのために僕は下請け仕事でチームのレベルアップを計りながら、自分自身も研鑽を重ねながら、じっと機会を待っていた。ところがゲームの下請け仕事というのは、まあここでハッキリ言うと、ほとんどの場合、うまくいかない。
特にクリエイティブなものは、誰も見たことがないので、ああだこうだと好きなことを言ってくる。
だから下請けでやるには、できるだけ陳腐なものがいい。それが確実だからだ。生きるためにはなんでもやった。
そうこうしているうちにもっと効率の良い技術の活用法を事業化できないか考えた。
そうしてCMS事業を始めた。これは当たった。CMSだけで楽に食えるだけの稼ぎができた。手元にお金ができたから、やっと初めて、自分で作る自分のための作品、というものにエネルギーを投じることが出来るようになった。
その意味では、僕はこの作品が成功しようとも失敗しようとも、どちらでも良いと思っている。
ただ、最高の仲間と最高のものが作れた。もっと良く出来る部分は沢山あるが、限られた時間と人手のなかで、これだけ野心的な仕事をみんなは良く成し遂げてくれたと思っている。
("本気っぽいRPG"をケータイとブラウザで作れるかやってみた長い長い道のり)
しかし、shi3zくんと言う若い企業家の書いたこの文章を読んで、身震いがするほど励まされた。
それは、KAI自身の起業の時の、時代の風景がよみがえってきたからに、他ならないからであります。
MS-DOS全盛の時代、ゲームもまたMS-DOSと言うメーカー依存のOS毎のバージョンがあたりまえであった。このなかにあって、マック版シミュレーションゲームを出しているゲームクリエーターの友人に、これまたマイクロソフトの友達から入手したまだ公開前のDirectXの仕様を見せながら、MS-DOSで圧倒的シェアを誇っていたPC98ではなくWindowsバージョンの開発を強く促したのであります。もちろんKAIもまた、すでにこのプラットフォーム上の誰も創ったことのないアプリケーションの開発をスタートさせていたのであります。
コンテンツクリエーターやアプリケーションアーキテクトにとって、どのプラットフォームを選ぶべきか。実はこれは簡単なんであります。
よりオープンであるかどうか。
アップルがオープンかどうか、この議論は別の機会にして、オープンプラットフォームとは、もちろん機種に依存しない環境を言うのでありますが、この本質は、可能性の問題を問うているのであります。常に変化を余儀なくされる時代の流れにあって、オープンプラットフォームこそコンテンツやアプリケーション成功の可能性を最大化する絶対条件なのであります。
いまあらたなオープンプラットフォームとなった、インターネット。
shi3zくんのゲーム「天空のエリュシオン」も果たして、この新たな主戦場の覇者となるかもしれない。
ベンチャーとは、こう言うことを言うのであります。誰にそそのかされたわけでもない。ただ自分の思い、志だけで、突き進むのであります。もちろん一発勝負で砕け散るわけにはいかない。粘り強く目の前のやれることを、ただひたすらやり続けるだけであります。
しかし、ベンチャーには、次なる関門が待っているのであります。
誰も創ったことのないものは、これを評価する目も誰も持ち合わせてはいないのであります。
一部の「マニア」だけでは「キャズム」を超えることはできない。
この「キャズム」に橋を架けるのも、また「オープンプラットフォーム」以外にはない。すなわち紙でもテレビでもない、インターネット。もちろんPUSHとしてのテレビの役割は相変わらず巨大ではあるけれど、その中身にもいまやインターネットは深く入り込んでいるのであります。
それにしても、オープンプラットフォームの流行とは言え、Twitter。SNSもそうだったけど、どうにもこうにも肌が合わない。これがKAIの限界ならばただあきらめるしかないけれど、そうではない。
これもまた自ら創り出すしかないと、神が教えているのであります。確かにその啓示は、すでに何度かあったのに、これに気づかなかっただけなんであります。
ひたすらこれを考え続ける、週末テニス。
熱中症の危機、未だ去らずの炎熱テニス。土曜、4-6、6-4、2-3、日曜、1-6、4-6、6-1、0-1。ただひたすらもくもくとゲームを続けるのみ。そしてまた元気を取り戻して、考え続けるのであります。あと、もう少し! KAI