フェデラー不調の原因とは

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ウィンブルドン。フェデラーが、あえなく準々決勝で敗退。1ヶ月前の全仏も、同じく準々決勝で負けたから、絶不調と言って間違いないのであります。

テニスに興味のない方にとって、フェデラーがどんなすごい選手か皆目わからないと思いますが、とにかくすごい選手なんであります。

このフェデラーがなんで絶不調か、全英中継のテレビを見て分かった。広いファミリーボックスに、1年前に結婚した奥さん、ミルカ・バブリネック一人しかいないのであります。

フェデラーが彼女と結婚したのは、2009年4月12日。そのあと長年準優勝どまりであった全仏で初優勝、1ヵ月後全英は6度目の優勝、翌2010年全豪4度目の優勝を加えれば、グランドスラム優勝回数は、実に16回。28歳とまだまだ若いのであります。

にもかかわらず、この絶不調。なんでミルカしか応援にきていないのか、理解に苦しむけれど、不調の原因がここにあるのは明らかであります。

4歳上のミルカとの結婚は、長年恋人同士だったとは言え「できちゃった婚」。2009年7月には双子の姉妹を出産。いま二人にとって初めての子育て真っ最中。ともにテニスプレーヤーだから、いかにテニスの試合と言うサーキットが過酷なものか、理解しあっているはずとは言え、初めての子育て、しかも双子の子育ては、テニスどころではなかったと言うところであります。

今週は、初めての子育てに悩む新米ママとパパのために、とっておきの育児情報をお届けするのであります。

 育児の大変さは「今」「ここ」で待ったなしに、わが子の要求を受け止めなければいけないことであろう。乳幼児は楽しく笑ってばかりはいない。不安になり泣き出すと、自分をどうすることもできない。しかも、あるがままを出せる相手は、母親や、よくなじみ親しんだ人に限る。受け止めてもらうと不思議に落ち着き、ほっとするが、親が暗い眼でにらむと、萎縮(いしゅく)してしまう。

 子供の脳の発達は不連続である。頭囲が急に増大する時、脳も急に発達し、それに呼応して感情や行動の調節は悪くなる。特に胎児期、乳幼児期、思春期は脳がぐんと大きくなり、「キレ」やすさが高まるときである。赤ちゃんの胎動は強いほど元気な証拠。それと同じように、2歳前後の「いやだ!」も、12歳前後の生意気な反抗も、健やかなこころの印である。子供自身にとり、この時期は心身のバランスの崩れやすい時期でもある。

 育児はこの脳の爆発的な発達期に、特に難しくなる。子供自身が内部の変化に驚き、いつになく泣きわめき、母親にしがみつくからである。これは新しい認知行動機能が芽生える直前の2、3週間に起きる。
【母親学】慶應大医学部専任講師 渡辺久子(2)脳の発達と子供の「キレ」やすさ (1/2ページ)

(中略)

 オランダの生態行動学者、プローイユ夫妻はこの時期を詳しく研究した。生後20カ月までに、どの乳幼児にも「退行期」(赤ちゃん返り)と呼ばれる母親泣かせのぐずり期が10回ある。飛躍的発達の前兆で避けることはできない。生後1歳ごろまでの退行期は、なんとか子供の気を紛らわせてしのげるが、1歳から1歳半にかけてはごまかしがきかなくなる。激しい癇癪(かんしゃく)を起こして母子は衝突し、育児ノイローゼや虐待につながりやすい。

 多くの母親はこの「退行期」に、「こんなはずではなかった」と自信をなくし、育児が楽しいどころか、赤ちゃんをかわいいと思えず苦しむ。このような育児の混乱が、全国約13・5%といわれる母親の産後鬱病(うつびょう)の背景にもある。

子育てとは、子を信頼することに尽きるのであります
ファミリーボックスに誰も寄せ付けないで一人いるミルカには、恐らくこの鬱が懸念されるのであります。

もちろんこんな状態では、勝てるテニスも勝てなくなる。確かにベルディヒは絶好調(なんとこのあとナダルと決勝対決とあいなるのであります)。サービスがクロスに面白いように決まる。しかしこんな時にもフェデラーは、小憎らしいくらいに切り返してブレイクできるのに、この試合はまったく精彩を欠いていた。

しかし、長い人生。こんなときも、ある。

二人にとって子育ては、自分のコピーを創る、人生で最も重要な仕事であります。

KAIもずっと昔に経験しましたが、最初の子はとにかく大変。お風呂に入れるのも、おっかなびっくり。お湯が顔にかかってどうしよう。手が滑って顔までざぶんとつかって、さあ大変。

ところが二人目、三人目。もうおかまいなし。汚れていようがご飯をこぼそうが、かわいくてかわいくて、どうでもよろしい、となるのであります。

フェデラーも、ミルカのためにしばらく子育てに専念するがよろしい。半年もあればウソのように状況も一変する。

ま、そういうことであります。 KAI