「デッドロック」外れる(2)

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狡猾な人間が他人を騙すことは、なんとも愉快なほど、容易なことであるのであります。

 人事のキーワードは「小沢傀儡(かいらい)政権からの脱却」だ。菅は3日の代表選出馬会見で、鳩山政権を事実上、支配していた幹事長、小沢一郎について「しばらく静かにしていただいたほうが本人、民主党、国民にとっていい」と述べた。事実上の「小沢外し」宣言だ。
【新民主党解剖】(下)「読み」誤った小沢氏

狡猾小沢が「読み」誤ることなど、ないのであります。いまのところまんまとメディアをだまくらかすと言う作戦は、かように順調なのであります。

本気で、菅が「小沢傀儡(かいらい)政権からの脱却」を考えているなど、笑止としか言いようがないのであります。

「小沢さんはしばらく静かにした方がいい」
菅氏が決断!反小沢に軸足移し支持拡大

まだこの時点で単なる「候補」にすぎない人間が、党の最大実力者を名指しで、普通こんなことを言うと思いますか?おかしいでしょう?

小沢が描いたシナリオはこうです。

1日の三者会談の後、自室に戻った小沢は一番に菅に電話したのであります。

あなたを後継総理にする。ついては、小沢傀儡政権と言われないようにするために、徹底して小沢外しをやること。こちらもあなたを支持すると疑われるので、形だけの対抗馬を立てるが心配しなくてよい。

これで誰が総理をやろうが、幹事長になろうが、小沢としては、来る選挙に勝ちさえすればどうとでもなるのであります。

もちろん菅の裏切りは心配されるけれど、樽床氏の129票は小沢グループが本気で動けばいつでもひっくり返すことができることを示す十分すぎる票数なのであります。

これでまんまと騙されて民主党に投票するのか、傀儡政権でないはずの繰り返される郵政法案強行採決に、やっぱり本性は変わらないことに気づいて、反民主を応援するのか。

やっぱり、奈落の底への道しかないのでありましょうか。 KAI