オーバーキルの警告

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なぜKAIが竹中平蔵を高く評価するかと言えば、2001年経済財政担当大臣就任以前からの、彼が行ってきた言説の遂行性の高さにあります。

 2010年度予算は、国債発行額でみて44兆円の赤字を計上する。2009年度は、おそらく53兆円程度の赤字であることを考えると、一気に9兆円、GDP(国内総生産)の1・8%に当たる緊縮財政である。小泉内閣でも財政健全化に向けて努力を重ねたが、それでも年々の緊縮幅はGDPの0・5%程度を目処(めど)として、それ以上の急激な緊縮を避けるようなマクロ運営をしていた。GDP比1・8%の緊縮は、経済をオーバー・キル(過剰引き締め)する懸念が強い。

 加えて今回の予算では、公共事業を一気に18%削減する。小泉内閣で公共事業を削減した際、大きな批判に晒(さら)されたが、当時の削減幅は年3%だった。18%削減が実施されると、恐らく地方経済には大きな悪影響が出る。また、今回の予算では「子ども手当」や農家への所得補償など、いわゆる「移転」支出が多くなっているが、先の定額給付金が約3分の1しか消費支出に回らなかったことからも明らかなように、それが消費に回される乗数効果は大幅に(恐らく従来の半分から3分の1)低下するだろう。

 マクロ経済管理を欠いた現状の安易な姿勢を続ければ、結果的に経済をオーバー・キルし、補正予算の編成に追い込まれよう。
【正論】慶応大学教授・竹中平蔵 政府怠慢と過剰介入が危機拡

もともとテレビに出てくる評論家や経済学者の言うことなど、まるで当てにならない中で、竹中が行ってきた言明は、大臣として政策当事者であったかどうかにかかわらず、これが常に「現実」となってきた事実です。

今回のこの「オーバー・キル」の言明もまた、残念ながら悲惨な現実を招くことになり、これまたデフレ圧力が一層強化されることになるのでありましょう。

以前にも「デフレ」とは経済の血圧問題であると書きましたが、この血圧を「オーバー・キル」した結果の状況がいったいぜんたいどのようになるか、想像するだに、鳥肌が立ち、背筋が寒くなってくるのであります。

まったくもって、なんでこんな簡単なことが理解できないのでしょう。もちろんこれは、民主党と言う政党に所属する人々の、経済についての「一知半解」以外のなにものでもないのであります。民主党が掲げる「成長戦略」の張本人、菅直人、当の本人が「乗数効果」さえ理解していないと言う現実。もちろん「乗数効果」なるものが有効であるなんて、一言も言っていない。しかし、こういったマクロ経済の初歩的知識さえ持ち合わせず、まさに菅(カン)ならぬ、勘(カン)と思いつきで、国家経済が運営されているかと思うと、寒気さえおぼえてしまうのであります。

これに対する竹中平蔵。

どちらの言うことが、信用できるか。

KAIから見れば、世の中の人々は催眠術の中の夢を見ているのではないかとさえ思えてくる。みなさん、早く夢から醒めないと、ほんと大変なことになるんですよ。って言っても催眠術を解く方法が分からない。

催眠術と言うより、洗脳。

そうなんです。洗脳との戦いなんです。なんともまあ、ややこしくて大変な事態になってしまったもんだ。いったいどこで、どう間違ってしまったのか。

唯一考えられるのが、皇統問題。すべての責任は、女系天皇へ舵を切った小泉にあるのでしょう。まことに天皇問題とは、政権にとって鬼門なのであります。 KAI