W杯U17の3連敗には訳があると週末テニス

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このところの深夜のテレビ中継を観ながら、KAIはなんども叫んだ。「負ければいいのに」。

対ブラジル戦。ロスタイムの失点は、ドーハを彷彿とさせたけれど、これもかつての日本代表と同じ理由があった。スイスに3-4の逆転負け、メキシコにも0-2で負けて3連敗。

この高校生たちにとって、特にスイスとの2-0でリードした後の逆転負けは、恐らく狐につままれたかの思いを拭えないのではないでしょうか。

なぜこうまで簡単に逆転負けを許してしまうのか。その訳は、試合開始前の国歌の演奏にあると、KAIは確信しています。

どの対戦相手国の選手も、みな口を開けて国歌を歌い、国旗に向かって忠誠を尽くす。対する日本。見るも無残に、どいつもこいつも口を閉ざしたまま。敬意の目線すら感じられない。

こんなやつらが、国を代表して勝てるわけがない。

ブラジルに善戦して引き分けてよかったねで終わるはずが、ロスタイムに3点目を入れられて負け。でも強豪ブラジル相手じゃしかたないよね、なんて思い上がりが、そのままスイス戦へ。前半いきなり2-0でリードしたまではよかったけれど、あれよあれよと4連続失点で、叩きのめされる。対メキシコ最終戦には、ゴールする気力すら残っていませんでした。

なぜこうなのか。野球のWBCでのイチローをみれば一目瞭然。あの恐ろしいまでの、国を代表して戦うことに対する責任感。試合前帽子を胸に当て国歌を歌う、清々しいまでのイチローの表情から、これを感じないわけにはいきません。

そして、勝つことの次元が決定的に違っている。イチローにとって勝利とは、日本人の代表として誇りあるプレーをすることこそ第一義の目的であり、勝利とは単なるその結果に過ぎません。対するU17の高校生。国歌に口を閉ざす彼らの表情には、ただ勝ちたい、勝ちたいだけの我欲しかない。これがいかに恥ずかしいことであるかを教えようとしない、監督も同罪。

週末テニスは、意味も次元もまったく異なるけれど、誇りあるプレーにかける気持ちはまったく一緒。

土曜、いつものネモトくんに替わってサコタくん。このサコタくんに、思わず叫んでしまった。繋がないで!決めてくれなきゃ勝てないよ!

レッスンコーチを長くやっていると、コーチの職業病と言うものにかかってしまう。それは無意識に相手のいるところにボールを返してしまうこと。レッスン中に当然のように決めるボールを打つことはない。

実は、この決めるボールを打つと言うのは、実に難しい。来る方向が分かっていれば、ほとんどのボールは取れるから、決めるためには、相手が来ると思う方向とは違うところに打つ。いわゆる逆を突くこと。あるいは予測してもそれ以上のスピードなら取れない。

しかし、逆を突くのもスピードボールを打つのも、相手のあることだから簡単ではない。しかもダブルスは、二人が相手。そこで無理に決めようとして、ミスをする。相手のミスを誘うのも、もう一つの決めるための重要なポイント。

結局すべてが人間性なんです。相手の裏をかくのもミスに乗じるのも、テクニックではなく人間性同士の戦いなんです。こんなことは、レッスンでは誰も教えてくれないんです。

ですから、誰とゲームをやるかが、とても重要。このメンバーだから、十年、二十年と続けられるとも言えます。

そんなテニスの結果が、7-5、0-6、5-6のサコタくんの3連勝。第3セットは、5-1の絶対的有利からほんのわずか手を緩めただけで、5ゲーム連取され逆転負け。努々情けは人のためならず。え?違うって?

そして、日曜。朝から何かおかしい。起きてから何かおかしいんだけれど、なにがおかしいかわからないまま、ふと、左の耳を塞いで右耳だけでテレビの音を聞いてみた。人のしゃべっている声が、ラジオの雑音のようにしか聞こえない。こりゃ大変と、何度も鼻をかんで確認するけれど、右耳だけがまったく聞こえなくなった。ひょっとして昨日の帰りがけ耳掻きしながら運転中に、鼓膜に穴でも開けてしまったのかしら。

不安ですが、これはテニス優先。テニスコートでまた左耳を塞いで音を聞くも依然回復せず。ストロークしてもなんだかまるで違う世界にいるよう。異次元空間的テニスの結果は、6-3、2-6、1-6のM田さんの一人勝ち。耳の聞こえなくなったKAI、手首を捻挫したままのO谷さん、手首も膝も関節痛のY木さん、持病のないのはM田さんだけだから仕方がないよねと言い訳をして、本日はお仕舞い。

お仕舞いではなかった。家へ帰ってそのまま広尾のERへ。ここには耳鼻科がないと言われて、消防庁テレフォンセンターで教えてもらった耳鼻科のある慈恵医大のERに電話するも、こんな時間では聴力検査ができないから来るだけ無駄といわれる。聞こえないのは耳垢が詰まったか突発性難聴だけど、今日明日どうこうなるものでもないから、あした近所の耳鼻科でみてもらってくださいと。

なるほど、KAIがテニスして遊んでいる間も、彼らは人の命を救う仕事をしている。心がけが間違っていました。人間性をどうのこうのと言える資格がありませんでした。出直しますです。 KAI