オリオン座流星群と言う青春の証

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KAIにも、うすらこっぱずかしい青春時代と言うものがありました。

高校2年生の夏休み。1学年下の彼女は天文部。この天文部主催の流星観測会が、夏休み中の高校のグラウンドであった。夜の8時ごろ集合して、グラウンドに仰向けになって天体観測開始。

流星の色、長さ、方向を、声を出して報告し、配られた画板の上の天体図にその位置を記入する。このときどれだけ流れたかは、もうずいぶんむかしのことで、すっかり忘れてしまいましたが、流れ星ってこんなに流れるんだと言う強烈な印象だけは今もしっかり残っています。

4時ごろ空が白ばみ始める頃、解散。彼女を50CCのバイクで送っていこうと思ったら、彼女の先輩のバイクに先を越されて、すでに帰ってしまっていた。しかし、これが彼女にとってとんだ災難になる。

帰りがけに交通事故を起こして、彼女は入院。まさか病院に行くわけにもいかず、退院したときいてから、彼女の家まで見舞いにいく。校長先生とはきいていたけれど、こわいお父さんが出てきて、娘はいま休んでいるからと会わせてくれない。

仕方がないので、なぜかビートルズのリバプールの郵便局のスタンプを偽造して(高校生には時間が山のようにあるんです)、AIR MAILに見せかけるためあて先を英語で書いて彼女の家のポストに手紙を入れる。

なんて、こんな夢のような青春時代が、KAIにもあったんです。

ですから、流れ星と聞くと、なぜかこの切ないまでの恋心がよみがえる。

と言うことで、あれから40年。オリオン座流星群ときいて、黙って見過ごすわけにはいきません。

10月20日午前3時40分。いつもの早朝の散歩1時間以上前に、家を出る。丁度散歩の方向にオリオン座があって絶好の方向なんだけれど、街灯がじゃまをするから流星を見ることはできない。

4時、いつもリキが遊ぶ公園まできて見上げるけれど周りが明るくて星空がよく見えない。そのそばにある駐車場まで移動して、街灯に邪魔されない絶好の位置を確保して30分。仁王立ちで、真上の空を見上げるのは、ほんと疲れる。

この体勢で、40分経過。しかし、いっこうに気配がない。あきらめて退散。

そして挑戦2日目。

22日午前4時。先日の駐車場に到着。今朝は仰向けにねっころがって観測することにした。とその途端、東方向に大きく流れた。思いを託する暇なんて、まるでなかった。15分して、北へ一つ。30分後に、また北へ、先ほどよりは少し太く短い。

しかし、これでお仕舞い。40分間に3個。このあと、家までの散歩道。もう空を見上げることもなく、夜明け前で薄暗い景色に目をやりながら、KAIの胸にはじわじわとうれしさが湧いてくるのであります。

たった3個の流れ星が、遠い遠い青春時代にKAIを導いてくれた。

またふつふつと、やる気が湧いてくるのであります。 KAI