続モラトリアムと週末テニス

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日曜朝、テニスに出かける前のサンプロがめちゃくちゃ面白かった。

いやはや亀井静香は役者やのぅ。

全コメンテーターから総攻撃を受けても、びくともしない。おまけに、鳩山さん更迭しなさいとまで挑発する。さすがに「利息も払わなくて良い」と言うのには歯切れが悪かったけれど、これも愛嬌。

それにしてもさんざん国すなわち国民から助けてもらいながら、銀行業界は国民に何一つ恩返しをしていない、今回だって銀行業界がイニシアチブをとって中小企業支援に動くのが筋と言う亀井発言には、ひさびさに政治家の発言として胸がすく思いがします。

やっぱり政治家とは、こうでなくっちゃ。

しかしなぜこうまですべてのコメンテーターが、そろいもそろってこうなのか。翼賛体質まるだし、まったくなさけないったらありゃしない。これだけ声高に非難する以上その根拠に確たるものがあるのかと思えば、それが「原理主義」とはまさに笑止千万。

そもそも、亀井発言の意味、すなわち中小企業の資金が足りていないことにまで踏み込んだ議論が、なぜできないのでしょうか。その理由は実は簡単です。

彼らがそろいもそろって、あまりに中小企業の側に立った実態に疎いからに他なりません。亀井の元には日々届く中小企業の、それも地方の経営者の生身の声は、彼らの耳にはまったく届いていないのです。いえ、テレビに登場する誰一人訊く努力さえしていない。向いている方向が全く逆だから、聞こえるものもまるで聞こえない。

これはしかし、思いっきり既視感が。

2003年5月17日、りそな銀行が国有化された。

この時、榊原英資は、この国有化を指揮する竹中平蔵を、ペーパードライバーと酷評し運転する資格すらないとこき下ろしたが、結果はこれを境に株価が反転し、日本経済復活へ大きく面舵をきることに成功したのでした。

以来、榊原がこれに始末をつけた様子は見受けられません。所詮この程度の男にすぎないと言うことですが、他の識者といわれる方々も、目くそ鼻くそです。

当時も今も彼らが理解できていないのは、竹中平蔵がよく使う「メッセージ」と言う概念です。

国有化当時の「空気」を一言で言えば、「銀行憎し」です。いつになっても反省しない銀行経営者。相変わらずの高給取りの銀行員。世間の「空気」はきわめて重苦しく、閉塞感に覆われていました。識者といわれる人々は、この「空気」が読めない。榊原を始めとしたこのKYな奴が的外れなことを言うから、余計「気分」が悪くなる。
日本の経験に学べと言うけれど

丁度7年前です。この時まで、銀行経営者は何年にも亘って不良資産を隠し続け責任回避に終始してきたのです。このため必要なところに必要なお金を廻すと言う金融の本分が果たされず、日本経済は10年以上に亘っての低迷を余儀なくされていたのです。これが資産査定の厳格化を徹底した竹中平蔵によってようやく日本経済は息を吹き返します。

この時の状況と今とでは、舞台も登場人物も大きく変わったけれど、識者と言われる方々が相も変わらず世間の「空気」が読めないで、銀行の肩ばかり持つのは、まったく同じ。

確かに見かけ上不良資産は少なくなったかもしれないけれど、ではそのお金の貸出先はどうなっているのか。

中小企業向けの銀行貸し出し残高は、2006年6月の177兆円から2008年3月の185兆円まで上昇傾向にあったものが、2008年4月以降一転下降を始め、2008年12月政府による緊急経済対策により一時的に増えたものの、2009年5月には176兆円まで急激に落ち込んでいるのです。いわゆる貸しはがしが明確に起きているのです。

しかし、もっと大きな問題は、銀行貸し出し残高全体に占める、中小企業向けの割合です。2009年5月の残高の合計は、468兆円。176兆円は、その37.6%。しかし1年前のそれは、182兆円で40%。6兆円もの落ち込みです。

逆に、合計自体は3.1%増、つまり14兆円の増加。6兆円と合わせた20兆円ものお金が、なんと中小企業から大企業への資金として流れてしまっているのです。

このもっとも重要な事実自体は、もちろん隠蔽のしようがない。隠蔽はできないけれど、メディアも識者も取り上げないから、世間は知らないままになる。

しかし知らなくても世間の「空気」と言うものは、ごまかせない。

この「空気」こそ、景気を大きく左右しているのです。

果たして亀井静香、7年前の竹中平蔵となれるやいなや。その期待は、まことに大きい。

と言うことで、週末テニス^^;。

土曜は、ネモトくんお休みでサコタくん。このサコタくんとのペアを組む感覚が、いまだにつかめない。いわゆるちぐはぐして、なかなかペースに乗れない。おまけに5-4のセットポイントで絶好の決め球をボレーミスまでしてチャンスを逃してしまう。

最後はタイブレークを7-9で落として、逆転負け。情けないったらありゃしない。

セカンドセットは、今度はサコタくんが相手。これもなんとまあ、4-6で落として完敗。ところが、事件はこのあと起きる。

第3セット。これまで時間を使いすぎて時間がない。1ゲームをタイブレークでやることにして、その途中、これは絶対に落としたくないと言うポイント。O谷さんが、これをなんとか拾おうとして前につんのめる。脚をすりむくのは回避したけれどこれを支えた手のひらを思い切り擦って出血。おまけに手首をひねってしまった。

致し方ない。これにてゲームオーバー。

しかし、これだけでは終わらなかった。この負傷につき、O谷さん、明日のテニスはできません。当然ですねと言いながら、電話を切ってそのまま替わりの人をあたるしかない。

それにしてもこう言う時は、なんとかなるもの。土曜出勤から帰宅したT中さんから、奥様にした伝言を聞いて、電話をくれる。もちろん大丈夫です。参加します。まことにありがたきことの極みであります。

その日曜テニス。亀井発言に気分良く、たまに日射しが見える曇天のもと、ゲーム開始。なんだかボールが重いのは、気のせい?

それでも決めるところではパッシング、グランドスマッシュと次々決まって、気持ちいい。結果は、6-4、1-6、3-6、2-1の2勝2敗。無理をしないで、これくらいがちょうどいい。全てのゲームで勝とうとすると、どうしても無理をする。無理をするとペースを崩して本来の調子をなくしてしまう。

なんでもマイペースが、一番。

テニスの後ここにもマイペースの人が、いました。ずいぶん遅い誕生日のプレゼントが届いていました。娘からのメッセージを書き込んだ絵本です。しあわせは、思わぬところにあるものだと、胸を熱くする。ウルウル。 KAI