ああセキュリティ!

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就任早々になんですが、鳩山さん、オバマさん同様、ほんと暗殺に十分注意したほうがいいですよ。

産経新聞の元政治部長だった花岡信昭氏が、日経BPで「記者クラブ制度批判は完全な誤りだ」と主張している。昨今の記者クラブ開放に反対する勇気ある発言、といいたいところだが、その論理があまりにもお粗末で泣けてくる。彼はこう宣言する:

日本の記者クラブは閉鎖的だという主張は完璧な間違いである。アメリカのホワイトハウスで記者証を取得しようとすると、徹底的に身辺調査が行われ、書いてきた記事を検証され、指紋まで取られる。そのため記者証取得には何カ月もかかる。[・・・]内閣記者会には、日本新聞協会加盟の新聞社、通信社、放送会社に所属してさえすれば、簡単に入会できる。
これは「閉鎖性」とは何の関係もなく、アメリカはセキュリティ・チェックがしっかりしていて、日本はいい加減だということである。私がNHKに勤務していたころは、記者証を政治部の記者に借りて首相官邸の中まで入ったこともある。武器のチェックもしないので、テロリストが記者証をもってまぎれ込んだら一発だ。
花岡信昭氏の「絶滅危惧種的メディア論」

そうなんですか、そんなお粗末なんですか!

やっぱり日本って国は、芯まで「安心社会」なんだと、つくづく思います。これが「信頼社会」に変わっていくなんて、ありえないと考えるしかありません。

そもそも個人ではなく新聞社やテレビ局といった組織を信用するのが、「安心社会」におけるセキュリティ。もちろん組織が信用できれば、何の問題もありません。しかし、もしこの組織に偽装や不正があったら、誰もこれをチェックできない。

しかも、万一の場合、その組織のトップでは責任が取れない。一人二人の首がとぶレベルの問題ではないと言うこと。

これがまったくもって国家のセキュリティの責任者が、分かっていません。セキュリティとは、責任以外の何者でもない。オバマの命の責任は、国家の最高のセキュリティ責任者の責任。あたりまえだよね。これが、日本では、そうはなっていないと言うこと。どこかの新聞社のトップレベルで、いったいどうやれば責任取れると言うのでしょうか。

この「責任不在」も、「安心社会」の大きな特徴と言えます。「安心」「安全」がデフォルトで保証されている(と思いこんでいる)のが「安心社会」ですから、だれも責任持って「安心」「安全」を維持する必要はない(と思いこんでいる)。

これはある意味「水不足問題」と共通している。

いわゆる、「日本人は安全と水はタダと思っている」と言うやつです。

八ッ場ダムも50年間完成しなくても何ら問題なかったわけですからと言う、民主党のみなさんはすっかり忘れてしまっていますが、首都圏における水不足は常態化しているのです。

生活に支障をきたす度々の異常渇水
 利根川における主要渇水は下表のとおりですが、昭和30年以降の水需要急増に伴って、昭和33年から現在まで、2年〜4年に一度の割合で深刻な渇水に見舞われています。
 特に、昭和33年は暖冬で春型渇水に見舞われ、5〜7月にかけての異常渇水時には利根川下流部において干塩害が発生し、水稲に多大な被害を与えました。また、オリンピックが開催された昭和39年にも大渇水に見舞われ、関東地方では給水制限が1年にもおよび、住民の生活や社会活動に大きな支障をきたしました。昭和62年には降雪量、降雨量とも極端に少なく、ダムの貯水量が底をつくことが危惧されたため、7月に利根川では初めての30%取水制限が実施されました。
 近年では、平成6年、夏期に猛暑と少雨の影響により、利根川では30%の取水制限となり、水道用水では高台で水の出が悪くなったり、赤水が出るなどの被害が起き、給水活動が行われました。
 平成8年は、冬期・夏期の2度の渇水にみまわれ、利根川では初となった冬季渇水では、取水制限が76日にも及び、社会的に大きな影響を与えました。また、夏期の渇水では30%取水制限を実施しました。
不安定な首都圏の水事情

もちろん水不足が起きて給水制限が始まると、メディアが中心になって大騒ぎします。これもしかし、のど元過ぎればなんとやら、水不足が解消するとみなすっかり忘れてしまい、誰も責任持って水不足問題に取り組まない。

もちろん個々には上記引用先のように日々この問題に取り組んでいる人たちはいるけれど、このすべての責任を取れる人間は、残念ながら誰もいない。誰もいないから、誰も責任を取らない。

当たり前と言えば当たり前ですが、これを異常と言わずして何を異常と言えるでしょうか。

閑話休題。

冒頭に戻って、鳩山さんに万一のことが起こったら、みなさんどうするんですか?

わしゃしらん、ではすまされない人が、そこにもここにもあそこにも一杯いるんと違います? KAI