これまた、シンクロニシティ。
土曜テニスの朝。毎週金曜日の夕方届いても、いつもはビニールの封をあけないまま下駄箱の上に放置されている日経ビジネス。めずらしく今朝は目を通したら、ふむふむ意味ありなお話が。
人間の体の中というのは隙間だらけなんです。臓器と臓器の間に、真空ではないが何もない空間がある。手術でお腹を開けるとそこに空気が入ってパッと広がるんです。この空間は何なのかと、ある日思ったのです。
臓器と臓器の位置関係にも、どうやら意味があるらしい。食道ガンの手術で食道を取ってしまうと、食道の場所まで引っ張り上げてつないだ胃は、食道として働くようになる。手術後の患者さんの訴えは、胃の全摘手術と同じなのです。臓器は単独で機能しているだけではなく、周囲の空間や臓器を含めた「場」を形成しているのではと思い至りました。
(中略)
会社には職場という場があります。場を作るのは一人ひとりの当事者ですが、全体をいい場に作り上げるのは経営者です。自分自身の場を高めるだけでなく、他人の生命の場にも思いをやることで全体の場が高まっていくでしょう。
(日経ビジネス、有訓無訓、誰もが持つ「生命の場」 日々高めるのが養生、帯津良一(おびつりょういち、医師・帯津三敬病院名誉院長)、2009/8/24、p.1)
この「生命の場」と言う概念は、ボルトの世界新記録のことを書いた「9秒58の秘密」と言う一昨昨日のエントリーの中で使った、「もっと大きな肉体」と言う言葉に、見事に一脈通じるものであります。
「帯津良一」でググると、「命のエネルギーを高める癒しの力・生命の力」と言うインタビューの記事がありました。この2004年の段階の、個人の中の「生命の場」あるいは医師と患者の間の「生命の場」から、2009年のいま、職場と言う「生命の場」まで、彼の考える「場」は拡がりをみせていますが、そもそも「生命の場」は、一人一人と言う個体としての生命を、もとから超えた概念であり、以前取り上げた「コスモス」と言う書籍のメインテーマでもあります。
それを、人間の集合である、組織や社会と言った概念と、この「生命の場」の違いを明確に示す言葉として、「もっと大きな肉体」と言う言葉を使ったのですが、この「肉体」こそ、それ自体の中に明確な意志を持つ存在であります。一人一人は互いに独立して行動していても、この「もっと大きな肉体」として、一つの「生命の場」が意志を持つと言うこと。
いまから30年近く前、除野健忠と言う一人の男が、二子玉でオープンしたスポーツクラブ。週末テニスと言う、KAIにとっての「生命の場」は、ここから始まります。ここから延々と続いてきた「生命の場」と言う流れ。なるほど、こう考えると、すべてが納得できます。
私たちは、いまのいま、横にいる人のことしか考えませんが、こうしてタイムスパンを1週間、1ヶ月、1年、10年と言う単位で拡げていくと、実はなんと多くの人とかかわりながら、しかし、家族以外の人たちの中に、「生命の場」と呼べる人たちとの継続的な繋がりだけが、明確に浮かび上がってくるのです。
日経ビジネスの記事に目を通して、ひとしきり感慨にふけったあと、しみじみと週末テニスに出かける。
土曜、先週から相手してくれるサコタくんが、めちゃくちゃ良い。何が良いかと言うと、さっきまでのしみじみとした気の流れです。30年来の「生命の場」の中に見事にはまっている。ずっといままで一緒にやってきたかのようで、まるで違和感がない。
サコタくんはどこから通ってるの?。大宮です。嫁の実家です。
まことに清々しい青年であります。と感服しながら、結果も6-1、0-6、6-7(3-7)、2-0の2勝2敗と、まことに奥ゆかしい気配り。
日曜テニス。今朝はすっかり秋の風が吹いて、楽勝モードと油断したのがいけなかった。日射しの中で始めたら、秋の空気と裏腹に、暑さは真夏と変わらない。おまけにこのところの朝の散歩をさぼっているのがきいて、足がもつれぎみ。ダッシュもきかない。もう限界の、6-3、1-6、3-6、0-2と、1勝3敗。こちらは、日頃の心がけの問題でありました。 KAI
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