「きぼう」に希望はあるのか?

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133日間、4ヶ月半にもおよぶISS(International Space Station)滞在から帰還した若田光一さん。スペースシャトル「エンデバー」から降り立つ若田さんの表情が、とても印象的であったから一層、それからインタビューに登場するたびに、若田さんの表情に大きな変化があるのが、気にかかる。まるで浦島太郎が竜宮城から帰って来て開けた玉手箱の煙をあびたかのように、日に日に老け顔に変わっていく。

ニュースのソースは忘れたけれど、本人自身も、現場に復帰するには3年かかると、明言。

しかし、この事実をメディアはどこも取り上げない。

このISS、宇宙空間にあってベニヤ板の箱同然ではないのか。宇宙線の被爆対策は万全なのか。

 実際の設計段階では、日本の技術者らは途方に暮れた。有人宇宙活動についてはほぼ白紙状態で、やり方が分からなかったのだ。
 助け舟になったのは、NASAから届いた段ボール5、6箱分の教材だった。飛行士の訓練用に、無重力や宇宙基地、船外活動などのイロハを丁寧に解説した資料で、JAXA執行役の長谷川義幸さん(58)は「みんなで貸し出しリストを作り、幕末のような雰囲気で必死に吸収した」と振り返る。
(産経新聞、「きぼう」から未来へ 有人宇宙開発の道のり=上=、米と次第に「対等な関係」に・異端児扱いの計画、小野晋史、2009/8/3、p.3)

そもそも、この程度のものと、認識すべきものなのです。

そして人体が、無重力の中でいかなる影響を受けるか。長いベッド生活を余儀なくされた体験をお持ちの方にとっては常識ですが、人が立って歩くとき、あまりの身体の重みに愕然とするものです。若田さんが、スペースシャトル「エンデバー」から降り立つときに、このことではなく、草の香りに言及したのにはわけがあります。

この事実は、とうの昔から宇宙飛行士の常識であり、いまさら言うまでもないと言うのもほんとうでしょうが、これを明言すること自体の影響を慮ったと言うことではないのか。

チューブで固定してルームランナーでトレーニングするシーンが紹介されていましたが、そもそもこの筋力トレーニングは、無重力空間における人間の骨や筋肉が耐荷重を受けないことをなんら補うものではありません。

一体人は、宇宙線にさらされ、無重力の中の宇宙空間へ、出て行くことができるものなのか。

宇宙開発とは、そもそものこの議論をおきざりにすることは、決して許されるものではないと、KAIは強く思うのであります。 KAI