訳者の鑑

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ブライアン・グリーンの「エレガントな宇宙」に続く著作、宇宙を織りなすもの(草思社、ブライアン・グリーン(著)、青木薫(翻訳)、2009/2/23)をやっと読み終えた。もちろん上下巻合わせて800ページもの大作ですので、ほんの通読ですが。

しかしこれを読んで、この本の中身もそうですが、これを訳した青木薫氏の「仕事」にも、KAIはいたく感服しまくりです。

才能のある物理学を志す学生にとって、この書籍が果たす役割は、とてつもなく大きいです。必ずやこの読者の中から次世代のノーベル賞を受賞する物理学者が現れると、強く思うのです。それは、いまのいま最先端の物理学が目指すものが何か、この書籍は、初学者にも手に取るようにわかりやすく書かれているからです。そしてこれが、日本人の学生にとってもきわめて分かりやすい日本語に翻訳されていることも、きわめて重要なことです。

ともすると専門書と言うのは厳密な記述を重視するあまり、わかりにくい。

しかしこの書籍は、一切数式を使うことなく、見事なまでに「最先端」の物理学の概念を説明することに成功している。もしKAIが物理学科の学生であった時にこの本を読んでいたなら、ほぼ間違いなく、そのままこの道を歩み続けることになったでしょう。

それにしても、この宇宙をめぐる超豪華スペクタクルを眺めながら、このKAIの若かりしころの熱き思いがよみがえってきました。いまKAIがあるのもこの熱き思いがあるからこそ、と思いながら、ブライアン・グリーン、青木薫、この二人の、本物の「仕事」に熱きエールを贈らずにはいられません。 KAI