そして、政局である。
昨年の12月13日、こんなことを書いたのを覚えている人は、当然がごとくKAIだけしかいないと思いますが。
これに対して、当時の一般的見方。この問題は、麻生政権がどうなるか以上に難題です。この麻生政権、識者といわれる方々は麻生政権を目一杯見縊っていますが、首相の権限とはそう軽々しいものではありません。就任直後の解散が消えた今、任期満了直前の解散総選挙こそ、唯一残された道です。
この理由は、簡単。
これはどれだけ秘密を守れるかにかかっていますが、選挙を1ヶ月早めるだけで、主導権を取れるからです。当然任期切れ1ヶ月前を照準にして、スキャンダルを含めたすべての問題が露出するよう、コントロール可能だからです。もちろんそれまで持つかどうかですが、これから起こるGMの破綻をはじめとした出来事に、世間はすっかりその気がなくなります。
(ビッグ3を救うべきか、見捨てるべきか)
これが、2008年12月3日のウチダ先生の見解。なにもウチダ先生の見方がすべてとはいいませんが、まさかここまで持つと当時考えた識者およびメディアは、皆無であったことは間違いありません。というわけでさっそく麻生内閣の今後について予測をする。
麻生首相は近い将来にまた舌禍事件を起こすか、政策上の食言を犯して、メディアの袋だたきに遭い、自民党内部から「麻生おろし」」の動きが始まる。
麻生首相を「選挙の顔」で解散総選挙となった場合に、自民党が歴史的大敗を喫することは明らかだからである。
麻生太郎のあとに与謝野馨が選挙管理内閣をワンポイントで担当する(その方が「負け方」が少ないと古賀誠が判断するのである)。
もちろん自民党はそれでも大敗する。
けれども民主党もそれほど圧勝というわけではない。
政局は一気に流動化する。
こういう状況が大好きな小沢一郎が自民党に「手を突っ込み」多数派工作を開始する(“これ”がやりたくて解散総選挙を促しているんだから)。
ターゲットは山崎拓と加藤紘一である。
そして加藤に「自民党を出て、こちらに来るなら、総理ポストを提供する」と持ちかける。
加藤は多少揺れるが、政治家となった以上「総理大臣」のポストを提供されて逡巡するということはありえない。結局小沢のオッファーを受諾する。
(新55年体制へ向けて)
このKAIとウチダ先生と言う、二つの見解の相違とは、何か。
それは「大局観」の違い以外なにものでもありません。畏れ多くも、KAIには「大局観」があってウチダ先生にはない、と言いたいのではありません。同じ「大局観」であっても、見てる「盤面」が違うと言うことです。
政局とは、政治の力学ですから、政治家の集合である政界と言う「盤面」を見ているのが、ウチダ流「大局観」。一方、政治の力学とは、すなわち選挙の力学であり、選挙の勝敗を左右する世間と言う「盤面」を見ているのが、KAI流「大局観」。
どちらも政局を左右することになりますが、いままでのところは、任期満了まで世間の動きはないとしたKAIの見方に沿って政局は動いています。
しかしもう後がなくなった。
はたして「麻生おろし」となって総選挙になだれこむのか、そうでないのか。政局はこの一点に絞られてきたようです。
そしてこれを決定的に左右することになるのが、7/12の都議会議員選挙の結果です。
はっきりいって都民と言う世間は、迷っています。
ここでキーとなるのが、昨年書いた上の文章にあげた、隠し球である「スキャンダル」。これは、まだ暴露されていません。小沢秘書問題も鳩山の故人献金問題も、この隠し球ではありません。これが出るとすれば、来週発売の週刊誌。
迷っている都民が、これを見ていかなる選択をするのか。
これがすべてうまくいけば、「麻生おろし」もなくなり、ぎりぎり自公過半数維持するし、「スキャンダル」の爆発力が弱くてなんて事態は、「麻生おろし」一直線。
それで舛添を総裁に担ぐことができれば、起死回生となるし、これができなければ、一気に民主政権となる。
ま、こんなところです。 KAI
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