いままで寺島実郎と言う人は、テレビのコメンテーターとして目撃するだけでまともに話をきいてこなかったけれど、意外にまともなことをいっていると彼のことを(ちょっと)見直した。
寺島 実はこれが後になって考えれば、あの時バカにしていたけれども、大変大きな潮の変わり目だったんだなということに気がつかざるを得ないんじゃないかなと僕は思うわけよ。なぜって1つはEV、つまり電気自動車と小型分散発電のリンケージです。
―― ああ、そうそう。僕も今ちょうど、それを考えていました。
寺島 要するにアメリカという国の20世紀、T型フォードを生み出して、大量生産、大量消費のメカニズムをリードしてきたアメリカが、やはり行き着くところまで行って行き詰まって、内燃機関で自動車を走らせるという仕組みから、やはりEV、電気自動車の方向に流れが切り替わっていかざるを得ない。その電気自動車に電気を供給する仕組みとして、大規模集中から、小型分散をネットワークでつなぐという、つまりシステムの基本的コンセプトが変わろうとしているのかもしれない。そういう考え方でとらえるならば、これはあながち、絵空事でないと。
(オバマ「グリーン政策」は「IT革命」を超えるか?常識の源流対論・寺島実郎 その1 4/5ページ)
長文の引用になりましたが、この「プラグイン・ハイブリッド」、KAIもこの対談主伊東乾氏と同様、車に100Vの電源コンセントを増設して毎日これを利用しています。ただこれは「プラグイン・ハイブリッド」と違って車の内蔵バッテリー直結。エンジンを掛けたまま使わないとバッテリーがあがる心配があったのですが、昨年秋車検で新品のバッテリーに交換して以来、エンジン掛けないでそのまま利用しています。寺島 今、若干かかわっているプロジェクトに「プラグイン・ハイブリッド」というのがあります。要するに車自体が発電機で、走っているうちに蓄電して、その蓄電したやつのコンセントを電源として利用するって話。
プラグイン・ハイブリッドは始まっている
寺島 アメリカのようにめちゃくちゃ広い国、送電線をものすごいコストを掛けて引かなきゃいけないようなところにとって、例えば別荘地なんかに週末に行って、電気なんか引いてなくても、ぱこっと車からコンセントをつなげば、逆に48時間ぐらい電力を供給できるというもの。
―― なるほどね。それで「プラグイン」。
寺島 うん、つまり小型の発電機を持って運転して動き回っているような状況になって、それが分散系のいわゆる電力供給を支え、分散系の情報システムを支えていくという、そういう時代をイメージしないと。一昔前のアメリカをイメージしていたのでは、とらえきれなくなるのではないのかという感じがするんだよね。
―― 重厚長大はリスクも大きいしね。自分自身、変な話ですが、車のシガーライターからパソコンを充電しながら、あちこちで原稿書いたり音符打ったりしていますから、出先で。
寺島 あなたなんかはライフスタイルの中にそれがもう、身についているようでしょ。
(オバマ「グリーン政策」は「IT革命」を超えるか?常識の源流対論・寺島実郎 その1 5/5ページ)
何に利用しているかといえば、KAIの場合、社外での打ち合わせにすべて自家用のエルグランドで移動していて、打ち合わせと打ち合わせの前後合間、車の中からインターネットに接続し仕事をしているのです。もちろんすべての仕事がブラウザの中で出来るようにしてあるからできることですが、このメリットは計りしれません。
たった1個の電源コンセントですが、これがあるだけで、ほとんどすべての仕事が場所を選ばずできてしまう。電話も携帯のバッテリーの充電ができるので、長時間の電話打ち合わせもまったく心配ない。こうなるとオフィスに出る意味さえなくなる。
だからといってオフィスが不要になると言うことではありません。ことの本質は、仕事がオフィスに縛られなくなることを意味しているのです。
立地調査のために1日棒に振ることもなくなります。目的地で車の中で1日仕事をしながら、自分の目で直に現地の様子を確認できる。おまけに企画書をオフィスで書くよりよほどイマジネーションが膨らみます。
もちろん向き不向きはあるにせよ、今までとはまったく異なるワークスタイル、ライフスタイルになると言うことです。そしてこれこそ、ビッグ3を救うべきか、見捨てるべきか(4)の中に書いた車の「移動」としての新しい付加価値に他なりません。 KAI
コメント