グリーが上場して、時価総額でミクシィを抜いたとのこと。
まことにおめでたい。これこそ、コンテンツではなく、アプリケーションの勝利の証だと、KAIは強く思います。
SNSのビジネスモデルについては、過去何度かここで議論してきましたが、世の中の方々の関心は、この議論とは関係なく、CGMやUCCといわれる世界におけるメディアあるいはコンテンツの「質」の問題一点張りであったし、今もこの流れに変わりはありません。
しかし、ことの本質は、「コンテンツ」ではなく「アプリケーション」にあります。
これを証明したのが、今回のグリー上場における時価総額といえます。
収入源は広告と個人に対するデジタルアイテム販売の2本立てで、直近の四半期(7〜9月)の内訳は広告と課金が3:7です。広告とユーザー課金の両方に力を入れているのですが、直近ではユーザー課金のほうが伸びているというだけです。
(上場したグリー社長に訊く、売上高9倍成長の秘密)
この田中社長の説明の中に、この答えがあると言うことです。
それは、収益の柱が広告ではなくデジタルアイテム販売、すなわち「アプリケーション」と言う「機能単価」商品の販売となっていることです。
ではこれがなぜ実現したか。丁度のタイミングで池田信夫blogに好著が紹介されている。
すなわちグリーにおいて、技術の田中社長ではなく、マネージメントの山岸くんの存在を無視するわけにはいかないと言うことです。彼は元CNETの編集長。彼が、KAIの言うネットビジネスにおける「アプリケーション」や「機能単価」の概念とこの重要性を理解していなければ、グリーのこのサービスは絶対に実現していません。The Venturesome Economy: How Innovation Sustains Prosperity in a More Connected World(Princeton Univ Pr、Amar Bhide(著)、2008/10/5)
製品開発には多くの補完的な要因がからむので、全体の効率を決めるのはボトルネックになっている要因だ。本書によれば、多くの場合にボトルネックになっているのは、技術ではなくマネジメントである。凡庸な技術が優秀なビジネスモデルによって成功するケースはあるが、その逆はない。マネジメントの優秀さは、経営者がテッキーであることと関係ない。重要なのは、経営者が技術の生産者ではなく消費者としてすぐれたサービスを実現することだ。これを著者はventuresome consumptionとよぶ。
(イノベーションは技術革新ではない)
そしてこのSNSとゲームが渾然一体となって機能する世界は、実はあの幻と化したセカンドライフ以上に、セカンドライフを実現する可能性を秘めているのです。
ぜひとも多国語化して、世界展開してもらいたいものです。また一つ楽しみがふえました。 KAI
コメント