広告モデル考

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やっぱり、ビジネスの基本は誰に何を売るか、です。

ビジネスにおいて、難しい理屈は不用。この何を売るか、そしてその単価はいくらか。この正確な認識なくして、ビジネスは成り立ちません。

ではWeb2.0業界とは、一体何を売る商売か。言い換えれば機能単価か情報単価か。この詳しい説明はこの2つのエントリーを参照ください。

モデル指向はなぜ必要か(4)
放送と通信とビジネスモデル(2)

問題は、動画情報の配信サービスです。すでに敗退の決まったGyaoに対して、ニコニコとYouTubeがどうなるか。

そもそもWeb2.0ビジネス自体、唯一の成功モデルが検索広告であることはGoogleが実証しました。この検索広告が、情報単価であることは上記エントリーの通りですが、果たしてこれ以外に機能単価モデルが成立するかどうか。

ニコニコの有料会員モデルも、YouTubeのトヨタ専門チャネルも、KAI的にはこの機能単価モデルへの挑戦と解釈されますが、残念ながら情報単価モデルほどには収益に貢献しそうにありません。それは説明は省きますが、機能単価モデルの、何を売るかを考えると自明なことであります。

そうすると、やはり情報単価モデルに回帰せざるを得ません。

具体的には、アドワーズに対応する動画検索キーワードとの連動、および、アドセンスに対応する動画コンテンツ連動広告の二つの開発です。

前者は、説明不要で動画に対応するキーワード販売ですが、後者はかなり動画特有の面白いものになります。従来のアドセンスではWebオーナーの承諾が不可欠ですが、動画は基本的にすべて自動です。コンテンツの内容にマッチする動画を、自動的に視聴率の高いコンテンツに、関連動画として表示する。

そしてこれらのサービスに不可欠なのが、動画に付随するWebサイトとの連動です。動画をクリックするとそのWebに自動でリンクする機能だけは、標準で必要です。これがないと情報単価モデルが完結しません。

しかし現在の状況は、機能単価モデルで失敗したGyaoの教訓から彼らは何も学んではいないようです。と言うことは、まだまだ第三の勝者の可能性ありと言うことです。そしてそれは誰か。この分野はまだまだ楽しみ。 KAI