自助、互助、自制の精神

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NHKの「その時歴史が動いた」はいつも楽しみな番組です。今回は、人を衛(まも)る都市をめざして〜後藤新平・帝都復興の時〜です。

関東大震災後の復興プランを手がけ、現在の東京の原形をデザインした政治家・後藤新平。もともと医者だった後藤は、社会を生物の体にみたて、「人と人とのつながりがうまく機能することで世の中が発展する」という独特の思想を抱いていた。後藤のこの考えは、関東大震災後、帝都復興院総裁として東京の復興を任された際、「区画整理」という新たな都市計画プランの実現につながっていく。“社会の医者”とよばれた後藤新平の情熱と信念を描く。

都市計画についてKAIはまるで素人ですが、この後藤の考え方は、今KAIの考える自己組織化アプリケーションに通ずるものがあるように思います。

そして都市社会の構成員としてのあり方について、後藤はこんなことを言っています。

「まず我が身を修めるというほかはない。我が身を修める自治の力が治国平天下の基礎である。
かねて私のいう自治の三訣(さんけつ)『人のお世話にならぬよう。人のお世話をするように。そして報いを求めぬよう』と少年時代から心がけてこれを実行するのであります」

標題の「自助、互助、自制の精神」です。「人のお世話にならぬよう」が「自助の精神」。「人のお世話をするように」が「互助の精神」。「報いを求めぬよう」が「自制の精神」。

秋葉原の惨劇を目の当たりにした直後だけに、殺人鬼の理屈とこの後藤の教えとの間の開きの大きさに、気が遠くなるばかりです。 KAI