伊達公子が現役復帰を果たした。37歳。
そもそも現役引退が、1996年9月24日、彼女の26歳の誕生日の4日前のことでした。当時、あまりにも早い引退と驚いたことをよく覚えています。
その彼女が帰ってきました。復帰後最初のトーナメントに、優勝を目指して予選からの出場です。10年以上のブランクのあといきなり優勝とは、そんな簡単なものではありませんが、彼女には優勝にとっていくつか有利な点があります。
まずなんといっても世界ランクNo.4までいった彼女の実力を支えていた、ライジングショット。このショットの特徴は、ボールのバウンド初っぱなを打ち返すことで、相手にとってはワンテンポ早くボールが返ってくるために、コーナーへ打ち返されると予測しない限り取れなくなってしまうことです。
そして重要なことが、テイクバックのタイミング。
テイクバックとは、ボールを打つためにラケットを後ろに引くことですが、遅いコートに慣れている大概の日本人プレーヤーは、このテイクバックのタイミングをボールのバウンドしたときに合わせる癖をつけてしまっているのです。遅いコートではそれでも十分間に合うのですが、芝のコートやスライスのボールにはどうしても振り遅れがちになります。
そうするとテイクバックの少ないスライスで打ち返すしかなく、これが力の無いボールになって簡単にポイントをとられるのです。
伊達のライジングショットはもちろん、テイクバックをボールのバウンドに合せていては間に合いません。バウンドする前にテイクバックして、逆に打ちに行くタイミングがボールのバウンドしたときになります。
ちなみに錦織のテイクバックのタイミングは、見事にバウンドです。先日のインドでのデ杯戦で格下相手に負けた理由も、恐らくここが芝のコートであったのではないかと思います。
今度出場するウインブルドンでの彼の進化を見るしかありませんが、なぜ今までのトーナメントで彼のテイクバックでも通用しているのか、理由は簡単です。それは彼のテイクバックが、いわゆるループスイングであるからです。ループスイングとは、テイクバックとショット開始が同じとなる、すなわちテイクバックしながらラケットを回してそのまま打球することです。
しかし、そうはいってもバウンドに合せる限り錦織が、シングルランキングになることはありえません。
思い出せば、すべてそうです。フェデラーしかり、オールラウンドプレイヤーみなすべて、ラケットが後からしっかり出てくるフォームは、共通しています。
閑話休題。伊達の話でした。
伊達のもう一つ有利な点。それは37歳と言う年齢です。
以前も同じことを書きましたが、KAIにこの経験と20代の肉体があれば、敵無しで戦うことができます。37歳と言う年齢は、もう十分試合を冷静に判断できるようになっています。残るのはまさに肉体のみ。はてさてどうなりますやら。
肝心の週末テニスは、結果のみ。土曜、6-3、6-4、0-5、日曜、6-1、0-6、2-6、2-6の負け越しでした。 KAI
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