中国の危ない食品―中国食品安全現状調査(草思社、周勍、2007/9/29)の著者周勍(しゅうけい)さんのインタビュー記事が面白い。
KAIが以前負の「偶有性」国家、中国(2)で指摘した内容と、まったく一緒です。周さんは、一党独裁が招いた「透支社会」が、食品汚染の温床となっていると指摘する。「透支」というのは、一党独裁の統治下で、人々が右左、善悪、正邪の判断を党に握られ、人間としての個(根)を失ってしまった状態を指す周さんの造語である。
(中略)
「一党独裁のもとでは、村長は郷長をだまし都合のよい報告だけをし、郷長は県長をだまし都合のよい報告だけをする、という連鎖があるからです。さらに、役人と業者・企業が結託した既得権益集団が形成されているのです」
(産経新聞、一党独裁の果て・・・・食品汚染大国 著者・周勍さん語る、2007/10/14、p.2)
更に周さんは例の段ボール肉まん事件について、こう言う。
KAIも当然そう思ってましたが、こうも中国内部で危機感を持っている著者の考えと、まったくその手の情報源を持っていないKAIの考え方が一致してしまうこと自体が、不思議です。「私はあの報道は事実だと思っています。逮捕された記者は、以前にも偽羊肉事件をスクープしたことのある立派な人物ですよ。あれが事実と認定されれば、大きな社会不安となり、北京市政府や党委員会の人事にも重大な影響を与えることになりますからね。政府はこの事件を奇貨としてメディアの規制強化に踏み切りました」
しかしそれにしてもです、こう言う理不尽によってたつ社会に生きるとは一体どう言うことであるのか。しばし考え込んでしまいます。 KAI
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