100万回生きたねこ(講談社、佐野洋子、1977/01)と言う絵本がある。
100万年も しなない ねこが いました。
100万回も しんで,100万回も 生きたのです。
りっぱな とらねこでした。
100万人の 人が,そのねこを かわいがり,100万人の人が,そのねこが しんだとき なきました。
ねこは,1回も なきませんでした。
100万人の飼いねこだったこのねこは、100万1回目は飼い主のいないのらねこになりました。
のらねこになったこのねこは、白いねこに恋をし、白いねこはかわいい子ねこをたくさんうみ、やがて子ねこたちは出て行き、白いねこも年老いて、ねこは白いねこと一緒にいつまでも生きていたいと思いました。
ある日白いねこが、このねこのとなりで動かなくなりました。ねこは毎朝毎晩100万回泣きました。そして白いねこのとなりで、動かなくなりました。ねこはもう二度と生き返ることはありませんでした。
リキが亡くなって泣きすぎたKAIには、もう流す涙は残っていません。にもかかわらず心の涙がとまりません。愛する人を失う悲しみを、どう言葉で表せばいいのでしょうか。
これを人は残された人の心の中の世界に、その救いを求めてきました。
飼いねこの死をなげく100万人の飼い主たちの心の中に、このねこは間違いなく生きています。しかしこの白いねこは、もう誰の心の中にも生きることはありません。白いねこを想うこのねこはもう二度と生き返らないからです。
この白いねこに、涙がとまりません。菩薩の愛、慈悲なる愛こそ真の愛です。リキはオスでしたが、彼の無限の愛に救われたKAIは、また涙がとまらなくなりました。 KAI
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