車が盗まれる夢

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ふだんこんなことは絶対やらないのに、夢の中で車にキーを挿したまま車を離れることがある。すると必ず、戻ってきて車がなくなっていると言う夢を、いままで何度みたでしょう。

これは、海外の空港で荷物から目を離した間に、その荷物を持ち去られる感覚と同じです。

そのどちらも実際に体験したわけではないのに、不思議なことにこの強迫観念が止みません。

むかしむかし、パブリカと言う大衆車がありました。これを日産のサービスマンがDOHCに改造して乗っていたものを譲り受けました。これがとんでもない代物で、パワーがありすぎるせいか、ブレーキがきかずよくハンドブレーキと併用して止めていた時期があります。

このころしょっちゅう見たのが、ブレーキをいくら踏んでも車が止まらない夢でしたが、これはこの現実の体験があったからです。

同じように海外に飛び立つ空港でパスポートを忘れて、どうしようと言う夢もいくどとなく見ましたが、こちらは、その前まで一度切りの海外旅行の時の忘れないようにと言う強い思い出に基づくものだと思います。

これらとは違う、あるはずのものが、もどってみたらない。

この感覚は特殊です。

あるべきものを失う感覚は、とても悲惨なものです。長年連れ添ってきた相方を失う。それも突然に失う。

心は瞬間にして闇。闇の中をなんど駆け巡って明かりを求めることでしょう。

なくした車にかわって新しい車が、いつのまにか、届く。

毎晩この夢の繰り返しに、はてしなく寝汗をかく。

そしてやっと失ったことを癒されていることに、安堵するのでした。 KAI