イカ釣り漁

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季節は確か夏、若狭湾のイカ釣り漁に、KAIが小学生の頃親父に連れられて行った。

夜半に舞鶴港を出て、3時間ほど船を走らせたところが漁場だった。そこで光々と明かりをつけながら夜明け前まで釣り糸をたらしてイカをつる。

釣り糸に等間隔にいくつもの釣り針がついていて、海中にたらしたそれを指でたぐりながらあたりをみて、ころあいを見て釣り糸を引き上げる。するとイカがいくつもかかっていると言う漁です。とても子供にできる漁ではありません。さんざん親父にしかられて、おもしろくもなんともない体験でしたが、夜中に船で出かけると言うアドベンチャーは、強烈に筆者の記憶に残っています。

今朝のNHKのニュースを見て、この時の光景がありありとよみがえってきました。NHKのニュースで、このイカ釣り漁を取り上げていたからです。

イカ釣り漁はなぜ夜中に行うのかと言うと、あの光々としたカンデラに照らされてイカが寄ってきたところを針にかけて釣るからだと、筆者だけでなく漁師自身が信じていたのですが、実はこれはまったくのウソであることがわかった。と言うNHKのニュースです。

イカは、実は光が苦手だそうです。夜中にカンデラで照らされると、あわてて光のないところに逃げる、そう船体の陰になる船底です。いみじくも光の網でイカを船底の下に追い込んで、それを針で引っ掛けていたのが、イカ釣り漁の仕掛けだったのです。

なるほど、若狭湾のイカ釣り漁の時も、いくら船の周りを見渡しても、寄ってくるのはくねくねしたうみへびばかり。どこにもイカの姿は見えませんでした。これで何が釣れるのと幼心なりに疑問に思ったのは、まさにその通りだったのです。

この話の示唆するところは、あまりにもおおきいです。

恐らく日本経済も、昨日も書いた一部の人たちには、いまだにこの漁師達と同じように見えているんだろうなと、確かに思いました。 KAI