連休明け怒濤の3日間の仕事をこなして、今日はやっと一息。毎年のゴールデンウィークは必ず会社に出て仕事をしていたのに、なぜか今回は一度も会社に出ず。おかげで怒濤の3日間が、と言う訳です。
Blog復帰に丁度良いネタがあがっています。ITProの「SaaS」は新しいバズワードか?と言う記事です。
SaaSについてあれこれ取材をした記者が得た結論が、
両者の主張のどちらが正しいのかは,ASPサービス改めSaaSの今後の動向をウォッチすることで判断していきたい。
ただ,どちらが正しいにせよ,現在のSaaSと2000年前後のASPサービスの間には確かに違いがある。その違いを表現するために新しい名前を採用することは,(IT業界でおなじみの)バズワードを増やすことにはならないだろう。
とのことですが、これは疑問符だらけです。
記事の引用が前後しますが、SaaSの特徴を以下のように説明しています。
SAPジャパンの記者会見の後,連休直前の4月28日,SaaSの代表的ベンダーである米セールスフォース・ドットコムの上級副社長であり,日本法人社長の宇陀栄次氏を取材する機会が得られた。(中略)
宇陀社長によると,SaaSと2000年当時のASPサービスの間には,まず「ネットワーク・コスト」の点で大きな違いがあるという。「当時はアプリケーションのコストよりも,ネット経由でアプリケーションを利用するための通信費の方が高くついていた」(宇陀社長)。それが,この5年余りの間に月額数千円も出せば最大100Mビット/秒のブロードバンド回線が利用できるようになった。結果として,SaaSが現実的な利用形態として浮上してきたのだ。
ベンダーのシステム形態も,2000年当時とは異なる。当時のASPサービスでは,ユーザーごとに物理的なサーバー環境を用意するシングルテナント型が主流だった。それが現在では,物理的に同じサーバー群を複数ユーザーで共有するマルチテナント型が主流になりつつある。
ネットワーク・コストもマルチテナント型も、アプリケーションサービスの上で本質的な問題ではありません。つまりSaaSだけでなくASPも当然がごとく、ネットワーク・コストのメリットを享受できるし、マルチテナント型でもサービス可能であり現にサービスもしています。
むしろ問題は前回書いた通り、彼ら(セールスフォース、ネットスイート)が主張するSaaSなるサービスがビジネスの体をなしてないってことです。うまくいっているような提灯記事ばかり目立つセールスフォースでさえ、日本の実情はかなり怪しいようです。(くたばれセールスフォースと言うBlogの過去エントリーに目を通してみてください)
ですからSaaSをセールスのうたい文句にする人たちは、あなたらが否定するかつてのASPが犯した愚を繰り返さないことこそ、実はもっとも火急にして緊急の課題であることに気付く必要があります。
しかし、新しいサービスと言うものは、あたかも土の壁を何度も何度も塗り固めていくようにしてしか、それを構築できないんだと、つくづく感じ入ったしだいです。 KAI
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