ASPサービスと言うビジネスモデルの本質を読み解く(5)

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またまたやってしまった。どうもマティーニ3杯は、身体ならぬBlogに悪い。2杯だとまだ少しは理性が残っていて、ブレーキがきくのに・・・。と言いつつまたまた放置しといて、つづき、つづき^^;。

なぜ機能単価なのか?

そもそも商売とは、お客様に何を買ってもらっているのか、すなわち、何を売っているのか、この明確な認識なしにはなりたたないものです。にもかかわらず、この原点から目をそらし続けている商売があります。それがソフトウェア開発と言う商売であると言うのが、このエントリーでふれた内容です。

しかしこれは考えてみれば当然の話です。そもそも「ソフトウェア開発」と言う商売って、「開発」を売る商売であって「ソフトウェア」を売る商売ではないってことですから。つまり「開発」と言う行為を売る見積もりが「人月」になるのは、しごく当たり前の話だと言うことです。

一方、「ソフトウェア」を売る商売とは、突き詰めれば「モノ」を売る商売ですから、価格は市場で決まります。たとえばパッケージであれば、同様のソフトウェアを他社がいくらで販売しているかが、価格決定の重要ファクターになるわけです。

これに対して、ASPサービスのようなオンラインでソフトウェアを利用する形態では、販売する「モノ」が存在しません。あくまでこれは、利用する権利の販売です。このあたりの考察は、すでにこことかここでやりましたので、今回はこれを踏まえて、もう少し、その先の話をします。

筆者は極論すれば、よほど特殊なソフトウェアを除けば、将来はすべてのソフトウェアがASPサービスによって利用される、そんな社会になると考えています。分野によりますが、将来と言うのも、かなり近い将来にこれが実現するのは間違いないでしょう。

これがどういった社会かよくよく考えてみると、ある不思議な、しかし当たり前の事実に気付きます。それはネットに繋がっていないと、何も始まらないと言うことです。逆に言うと、すべてがネットの中の世界になると言う事実です。

こういった世界のことを、筆者はかねてよりアナザーランドと呼んできました。このアナザーランドにおけるビジネスの有り様こそ、筆者のここ10年余りに渡る重要な研究テーマだったりするのですが、その中での“機能単価”が持つ意味を理解すれば、自ずとこのビジネスモデルの本質が見えてきます。 KAI