やっと懸案のレポートが仕上がったと思ったら、今度は来月やるフォーラムのプレゼンが待っていました。と言うことで、またつらつらとここでアイデアを書いていくことにします。
今回のプレゼンのテーマは、「ASPサービスと言うビジネスモデルの本質を読み解く」です。
このASPサービスが、将来どういったサービスになっていくか、恐らく今の私たちを含めて誰にとっても想像外の世界だと、筆者は考えています。あたかも日本に初めてマクドナルドを開店した時と、日本で初めてセブンイレブンを開店した時と、同じ状況にあるわけです。
これが当たり前だと今思うものでも、その初期段階では、人には言えない出来事と苦労があり、それを乗り越えてきた結果の、その当たり前であるわけです。つまりASPサービスがその苦労を乗り越えようともがき苦しんでいる状況が、まさにいまではないかと思っています。
ですから、その本質と言っても現在進行形の本質です。それは簡単に言ってしまえば、ブラウザ、カスタマイズ不要、機能単価の三つの単語に集約されるのですが、こんなことをそのままプレゼンしても誰も理解できません。(誰もハンバーガーなんて食べたこともないし、それを作ったことも、売ったこともないのですから)
まずはとりあえず、一つ一つ紐解いていくことにしましょう。
なぜブラウザなのか?
これは筆者の持論である最適環境論から来る必然の帰結です。通信環境の高速化で、LANとWANの境目がなくなった結果、梅田さんの言う“こちら側”にある目の前のパソコンから、モニタ以外のすべてが“あちら側”へ行ってしまったってことです。残ったモニタに、画面を表示させる機能であるブラウザが必要になるのも当然のことです。
しかしこのブラウザが、ASPサービスにとってみると大いにくせ者なのです。初期の頃のような単機能のアプリケーションのASPサービスでさえ、通信速度が今ひとつと言うハンディキャップがあったとは言え、そのトロさかげんにみなうんざりでした。この事情は通信速度が改善された今でも大して変わりません。
ERPパッケージのような高度な機能を実現するアプリケーションは、常にリアルタイムで業務をこなす必要のある現場で使われます。これがボタンをクリックするたびに砂時計が出ていては使い物になりません。つまり、単純にブラウザ+HTMLの組み合わせではリアルタイムの業務はこなせないと言うことです。
ちょうどいま、CNETの中島聡・ネット時代のデジタルライフスタイルに、“パーベイシブ・ウェブ・アプリケーション”と言う考え方が紹介されていますが、こういった問題を克服する概念の一つといえます。
とは言え、ブラウザです。ブラウザ(+アルファ)さえあれば、どこでも、どんなデバイスでも、アプリケーションをリアルタイムに利用できる、そんなサービスこそがASPサービスと言えるわけです。(続く) KAI
コメント