こんにゃくのあえもの
正月にピッタリの、ウェン流おせち料理です。北京の酒菜の、p.72。
筆者は正月、煮染めと言えば一番にこんにゃくを思い出すくらい、こんにゃく料理に目がありません。このこんにゃくが中国の家庭料理でも一般的な素材であることを、今回初めて知りました。
作り方。こんにゃくを薄切りにしてゆで、冷水で冷ましてから、水気を切る。刺身用の赤貝をさっとゆで、冷水にとって、水気を切り、赤い部分と白い部分に切り分け、切れ目を入れる。こんにゃくと赤貝をあわせて、わさび、しょうゆ、酒で調味、最後にごま油を加えて混ぜ合わせて、器に盛る。これに、フライパンでから煎りした唐辛子を香りが立ったところで、ふりかける。
最後に加えたごま油だけで、もうしっかり、こんにゃくと赤貝と言う二つの素材のうまみが、まるで炒めあわせたかのように絡み合って、これだけで晩酌が何杯もすすんでしまいます。(晩酌と言っても筆者の場合、マティーニのおかわりですが)
しかし、この料理は、いままでのウェンさんの料理の流れと、口の中に残る後味がどこかちょっと違っている。そうです、わさび、しょうゆと言う和風味です。中国人のウェンさんが、来日して16年、日本料理の中に見出した、新しい味のジャンルです。同じことが、前回のユーイチ君です。ユーイチ君は、ウェンさんの北京料理を数十回つくってみてやっと、自分の味と言うジャンルにたどり着きました。
二人の体験の間には十年以上の年月の開きがあっても、こう言うことが、まさに共時性、シンクロニシティです。正月早々にふさわしい料理であり、出来事でした。 KAI
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