技術情報のためのKAI的系譜(3)

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作成した運用マニュアルに基づき、年末までの2ヶ月間、デバッグセンターで実機確認を行います。一緒に、共同センターの稼動管理システムも作ることになりました。今から丁度30年前です。

この春の入社以来半年あまりで、すでにアッセンブラーとCOBOLのプログラムは何本か書けるようになっていましたが、このシステムはPL/1で書くことになりました(自分で好きにしていいと言われて新し物好きのKAIが選んだ結果です^^;)。もちろんまわりに誰もPL/1を知っている人がいませんので、頼りになるのはやはりマニュアルだけ。これも3日くらいで読破して、文法は理解できました。

問題はフローチャート(実際はフリーチャートを書きましたが、フリーチャートについてはこちらを参照ください)。どう言うものをつくればいいかは、すでにリアルOS時代のものがありますから、これをバーチャルOS用にアレンジするだけで簡単です。それをどうやればPL/1で書けばいいか、ここでも最初はまったく手付かずのまま、あっという間に1週間、2週間が経って行きました。

結局これは年末までに出来上がらずに、本番が始まってから、本番マシンを使って完成させるのですが、今から考えると笑い話のようなことを必死でやっていました。1日のシステムの稼動状況をプロットするために、開始から終了までの時間で秒単位でループさせて、文字通り、いつまで経ってもループして終わらないロジックをつくったり、マルチで稼動している時間を計算するのに悩んだり、それを印刷するのにそもそも改ページって何か分かってなかったりと。しかしそれもマニュアルの記述を穴が開くくらい読み倒して、実際に何度も何度もやり直しているうちに、すべて解決して行きました。

こうして、この大型の汎用機を、今のパソコンのように一人で使い倒したおかげで、最新鋭の大型コンピュータの仕掛けが、新入社員と言う立場ながらすみからすみまでわかるようになりました。偶然だったとは言え、新機種への移行に当たって他に誰もわかるものがいない中で、神が与えてくれたチャンスだったのです。

かくしてマニュアルを読めばすべて解決すると言う確信にいたるのですが、やがてそれでは解決できない問題にぶち当たります。 KAI