欠けているインプット機能の視点
江島さん、いつも刺激的な話題を提供してくれてありがとう。前回の説明の続きをほったらかしにしていたら、またまた見逃せない話題が。web2.0の未来です。
その「級数的に増えていくもの」が、論理回路の集積度であろうと、データであろうと、エコノミクスの観点からみれば本質は同じことです。新しい時代のルールでは、もはやイノベーションの核はデータへとシフトしつつある、ということなのです。違いは、論理回路はサイエンスやエンジニアリングの領分であったのに対し、データは人間がアウトプットすることで生み出されるものです。したがって、データを自乗やベキ乗のスケールで増やすには、そういうインセンティブをいかにしてユーザに対して与えるか?という、インターネット以前の時代にはまったく例のなかった主題と向き合わねばならない、という点がチャレンジなのです。
既存の概念にとらわれて、技術とは「既存の」コンピュータサイエンスやソフトウェアエンジニアリングの頂点を極めることであるという理解枠から出られず、「新しい」サイエンスやエンジニアリングの萌芽が誕生しつつあることに気づけない人たちは、この大転換期を乗り越えることができないでしょう。
ここにデータは人間がアウトプットすることで生み出されるとあります。確かにこれ(データをインプットすること)は、はてなのようなコミュニティサイトでは当てはまりますが、Googleは全然違います。Googleのデータは、すべてプログラムが次々とうみだしたもの(インプットしたもの)です。
この事実が重要で、江島さんの言うように確かに「大転換期」ではあるけれど、機能とデータの順序関係を勘違いしています。つまり<機能>→<データ>であって、<データ>→<機能>ではないと言うことです。ついでに言うと、<機能:インプット>→<データ>→<機能:アウトプット>です。
この<機能:インプット>が爆発的に拡大しているからデータが、級数的に増えているのです。この級数的に増えているデータをいかに「マッシュアップ」するかは、確かにビジネスチャンス的には「大転換期」ですが、「既存の」サイエンスやエンジニアリングに置き換わる「新しい」サイエンスやエンジニアリングの萌芽であるとは考えていません。
ちなみに、人間がデータをインプットすることは、パソコン通信のニフティなどのフォーラムの例に見るまでもなく、昔からあるコミュニティの前提条件です。
つまり今起こっているコトの本質は、世界規模での<機能:インプット>→<データ>→<機能:アウトプット>の分業化です。従来の限られた情報時空間の中での斉一性を持ったインプット、アウトプットから、開かれた情報時空間にインプットとアウトプットが解き放たれ、地球全体が一つのアプリケーション化へと向かい始めたと言うことです。
これを支える「既存」のサイエンスやエンジニアリングの重要性はますます大きくなります。その上で、地球全体の一つのアプリケーション化と言うモデルを説明できる「新しい」サイエンスやエンジニアリングが求められているとみるべきだと、筆者は考えます。
タイトルと中身があってませんが^^。 KAI
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