チンゲンサイのひき肉あんかけ
筆者は、実は竹から生まれた、竹の子太郎です。もちろん原宿の竹の子ではありません。京都の山奥の、母は、大江山の鬼で、父は、山家の猿です。もちろん育ての親ですが、丁度今と同じ暑い夏のある日、裏山の孟宗竹にカミナリが落ちました。火事を心配した両親が、裏山に行ってみると、真っ二つに割れた竹の間に、まるまるとした赤ん坊が、声をはりあげ泣いていました。
母鬼と父猿は、赤ん坊を連れ帰り、この子を大事に育てました。毎年、春になると、裏山にあがる孟宗竹の竹の子を、竹の子ご飯、竹の子とさばの煮込み、竹の子の天ぷらにして、この子にせっせと食べさせました。やがて、この子が大きくなって、東の国の鬼退治に^^;
筆者のエネルギー源が実はこの竹の子であると言うのも秘密です。竹の子があればなぜかからだがシャキッとするくらい、めちゃくちゃ竹の子大好き人間です。今回の料理のポイントはなんとこの竹の子であります。大好きな炒めものの、p.68。
ゆでたけのこに、ひき肉と調味料を絡み合わせて作るあんは、たけのこの持つあのエネルギーが、ひき肉と言う武器を得て、とてつもないパワーを発揮します。これがチンゲンサイと一緒になって、もうこれだけでメインディッシュになってしまう、不思議な料理です。
レシピも、チンゲンサイのゆで方がもう一つのポイント。煮立った湯に塩を入れ、下ごしらえしたチンゲンサイの根元のほうから先に入れ、30秒ほどして全体を湯にくぐらせる。良い色にゆだったら冷水にとって水気を切る。切れ目のあるほうを上にもることで、あんかけとからみあわせが、うまくいきます。つまりすべてからみあわせるためのテクです。
肝心のあん。炒め鍋で、強火でサラダ油を熱し、豚ひき肉を炒める。色が変わったらみじん切りしたしょうがと長ねぎ、角切りしたたけのこを加えて、炒める。水分がなくなるのを見計らって、合わせ調味料、ときたとこで、んーこの甜麺醤って初登場。
調べると、ここにありました。
中国では「麺醤」ともよばれ、小麦粉を発酵させた味噌状の調味料です。甘いことから、中国語で「甘味」を意味する「甜」の字がつけられています。日本で販売されている甜麺醤は、八丁みそに糖類・ごま油を加えてつくられた調味料です。北京ダックや回鍋肉(ホイコーロー)に用います。
なるほど、甘みそでした。で、レシピの続きで、調味料(酒、しょうゆ、甜麺醤、酢、鶏ガラスープの素、水)を加え一煮立ちさせる。水溶き片栗粉でコーチェンして出来上がり。
やはり中国料理は奥が深い。かくして筆者のエネルギー源である竹の子は、ひき肉と甜麺醤がからみついて、筆者の竹の中に帰っていきました。 KAI
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