帝国ホテル元総料理長、村上信夫さんが8/2心不全のために亡くなられた。84歳だとのこと、まだまだいろいろ話を聞かせて欲しかったけれど残念です。ご冥福をお祈りします。
村上さんのことはずいぶん昔から話しを聞いてきましたが、先日たまたまプロジェクトXアンコールと言う番組で拝見して、好々爺ぶりが印象的でした。この時思い出したか、別の番組だったか忘れましたが、彼が、『怒りながら調味料を入れると、料理の味も怒った味になるんですよ』と言っていたことが、今でもずっとものすごく印象に残っています。
ウェンさんの料理の前回のエントリーに、
料理は、正直です。料理は、料理人の気持ちを映す鏡です。
と書いたところですが、料理ってのは、レシピだけでなく、同じレシピでも微妙に毎回味が違ってきます。逆にこれが手作りの魅力なのかもしれませんが、これは一体なぜなのか。
実はこれこそ自己組織化アプリケーション問題と直接関係する問題であって、人間オブジェクト(料理人)とソフトウェアオブジェクト(レシピ)との間の境界問題であるのです。詳しくは今後書いていくのですが、アプリケーションがビジネスなどの領域の中の、人間領域に近い部分を扱えば扱うほど、その境界は曖昧になり、境界自体がオーバーラップしてしまう現象であります。
これにどう対処していくか、従来のエンジニアリングでは、これを誤差と言う統計的な観点から品質管理を行おうとしてきたし、今もそれを続けています。しかし、それではうまく行かないと言うことも分かっていて、特に創造性を要求される分野であるとか、人間の感性にかかわる分野とか、こう言った分野のアプリケーションでは、従来の分析的手法が通用しません。
自己組織化アプリケーションとは、こう言った分野の問題までも解決していこうと言う野心的、と言うかソフトウェアの環境化を考えれば必然的な流れです。そろそろ2ヶ月。再開が待たれる自己組織化アプリケーションです。(って他人事かい^^;) KAI
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