Google OSの話しは、1年以上前から梅田さんが取り上げ、これを満足せる豚。眠たげなポチ。さんも何回か話題にしてきています。
今回、アーキテクトであるsatoshiさんがGoogle OS を妄想すると未来が見えてくる!?と題して、この話題にコメントしています。
そして、筆者は、このsatoshiさんのコメントに感動しました。
筆者を含めて、satoshiさんのようにどちらかと言えば古い世代(失礼!)に属する技術者から見ると、GoogleとOSは簡単には結びつきません。せいぜいシンクライアントなOSやブラウザ開発くらいしか思いつかないのが正直なところです。その中でも最もLonghornと言う技術の現場に近いところにいたsatoshiさんの口から、
私も今になって気がついたのだが(後から言うのは簡単である)、マイクロソフトは Windows XP を出した後は、ウェブ・サービス型OSへのシフトを本気ですべきだったのだ。MSN や Expedia などが提供する各種サービスをウェブ・サービスの形に正規化し、進化させ、かつサードパーティを巻き込んで、そういったサービスへのアクセスを Longhorn の標準APIとしてプログラマーに提供すべきであったのだ。
と言う言葉が出てきたことに、正直感動しました。
筆者にとっても、こんな状況を抜けだし、霧が晴れるがごとく見通せるようになったきっかけは、この1年書き続けてきたこのBlogのおかげです。特に自己組織化アプリケーションをテーマとすることで、凡そ世の中の仕組みが手に取るように見えてきました。
これに対してビルゲイツはどうか。
たぶん、ビル・ゲイツあたりはこの失敗に既に気がついており、今年から来年にかけて色々な作戦を取ってくるだろう。
satoshiさんは、こう書いていますが、果たしてそうでしょうか。確かに、伝説のメールで、インターネットへ面舵一杯を切ったのは彼ですが、今のゲイツにこの時代を見通せる力が残っているかどうか。
筆者の今年1月のエントリー自己組織化するアプリケーション(第2部)−予告編の中で、ゲイツのインタビュー記事にふれて、
--では、今後の10年、20年を考えたとき、テクノロジー産業が真剣に取り組むべき大きな問題は何だと思われますか。
テクノロジービジネスが提供するのは「エンパワーメント」のツールです。人々が創造性を発揮し、交流するためのツールです。これには上限がありません。ですから、10年をかけてこれらのツールをさらに使いやすく、強力なものにするということは、十分にやる価値のあることです。
いまだにITの価値について、こんなレベルの理解にとどまっている人がいるとは、少々驚きです。
自動車が人間の足の「エンパワーメント」であるのに対して、コンピュータは人間の脳の「エンパワーメント」であると言われたのは今から30年も前のことです。これが今や、あらゆるコンピュータがネットワークに接続され、100万ステップクラスのアプリケーションとアプリケーション同士が互いにコミュニケーションしようとする時代です。
これはいわば、コンピュータがツールのレベルから環境のレベルに進化したと言うことでもあります。
と書きました。このインタビューから半年余りの間に彼の考えが、また大きく変わった可能性も捨てきれませんが、恐らくゲイツはXAML(ザムル)APIで事足りると考えていると、筆者は思っています。
さて、では一体「未来の形」とはどんなものになるのでしょうか。これについては、稿を改めて書くことにします。 KAI
コメント