ビジネスと言うのは、そのプロセスなど無関係に、その正しさを証明します。だからその魅力にひきこまれるのは正邪別にして(究極の)学問とギャンブルの関係を連想させます。
久しぶりにCNETの記事を取り上げます。「ERP導入の成功の秘訣はベンダー数とカスタマイズを抑えること」--米調査から。
Hackett Groupのリサーチャーによれば、複雑なシステムを構築する企業は、シンプルな戦略を立てる企業と比べ、従業員1人当たりにかかるシステム費用が経理業務においては30%、人事業務においては18%多いという。同社は、今回の調査で2000社以上の企業を対象にインタビューを行った。また、取引するERPベンダーの数や、アプリケーションのカスタマイズ量が少ない企業の方が、大きなアプリケーション導入効果が得られると、Hackett Groupは述べる。
また、Hackett Groupは、機能ごとに異なるベンダーを使う「最良の組合せ(ベストオブブリード)」と呼ばれるアプローチを採用してERPシステムを構築する企業は、費用の削減に苦戦していると付け加える。また、アプリケーションをたくさんカスタマイズする企業も、費用面で苦戦している。
筆者は、1年近く前のエントリー「ソフトセクターとは(その6)」の中で、ソフトセクターの競争戦略について論じましたが、その時以下の仮説を設定しました。
■既存の業界用アプリケーションが通用しないのは、圧倒的に機能が不足しているからではないか。
■不足している分をカスタマイズしても、その機能が、既存機能と連携していないのではないか。
■カバーするのが一部の限られた業務になっているのではないか。
■不足する業務を、まるで設計思想が異なる他のアプリケーションと、データレベルで連携できると考えているのではないか。
上掲の記事は、この仮説の正しさを裏付ける内容になっていますが、冒頭コメントのビジネスにおける戦略の当否を含めて、いったい正しさとはなんでしょうか。
これ以降は実にすばらしいアイデアがあるのですが、マティーニ2杯でこれにて閉店。 KAI
(追記)正しさとは価値です。価値は観測者による測定行為によりうみだされます。つまりビジネスでは観測者とビジネスの当事者が自己言及化されていること。この事実こそ、問題を解くキーポイントであると言えます。連立方程式が差分方程式(自己言及方程式)になると何が起こるか、と言う問題に定式化できるわけです。答えを書くと簡単ですがこれがカオスです。しかしこのカオスは「原因」パラメタは制御可能ですから良性問題です。・・・とヨッパで思いつくことを忘れないように書きました。無視してください。またしてもすみません、とわびるパターンが増えるのはなぜか。
コメント