ゲージ理論とトポロジー(2)

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ゲージ理論を突き詰めていくと、これは人間の認識そのものの問題(とその限界)に帰する気がします。

今AとBがある時、AおよびBを「ある」たらしめているものが空間的か記号的かによらず、AとBの関係はA→BあるいはB→A以外にはありません。もし両者が無関係であればこの論証は独立して行うことができるはずです。またA=Bである時は、AとBは同一であり関係性を持ちません。

ここでA→Bが何を意味するか考えてみます。これはAからBに向かう関係性を記述するものですが、具体的には例えばA点からB点へと何らかの影響が及ぼされる状況を想像してみて下さい。A点が太陽でB点が地球とすると、A→Bは太陽光線が地球に降り注ぐことを意味します。

この時、光の速度は有限であると考えられていますので、A→Bの間には時間が含まれていることが分かります。このことはA点とB点が太陽と地球の関係なら明白ですが、もしA点とB点が電子レベルや光子レベルになると怪しくなってきます。この2点の間をどんどん小さくしていくと言う思考実験をしてみれば簡単に理解できますが、大きさを持たない1点になるまで時間を消すことはできません。つまり1点になると言うことは同一になると言うことですから、そもそも関係性も消滅すると言うことになります。実際の物理現象では、これ以上小さくならない最小単位のようなものが存在するとされています。

ここで話題を変えて、高校時代に習った微積分のうち微分と言う考え方を思い出して下さい。微分とはA点とB点の間を限りなく小さくした時のAとBの関係性を関数化したものですが、これは限りなく小さくしてもゼロではないと言う意味で、近似の概念です。但しこの近似は統計的に誤差があるという意味の近似とは意味が違いますがこの説明は省略します。さてここでこの微分を使用したシュレディンガー方程式を考えます。このシュレディンガー方程式とは、左辺が運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和をあらわし、右辺が全エネルギーで、両辺を等号で結んだ方程式です。この方程式には時間が含まれていませんので、時間概念が他の形で隠蔽されていると言えます。この方程式の解である波動関数にももちろん時間は出てきません。

さてここで出てきた等号と、全段のA=Bにおける等号が全く異なる記号であることに注意する必要がありますが、ここではイメージを掴むのが目的ですので、この説明も省略し先を急ぎます。

と書きましたがここで来客。一旦アップします。 KAI