シンクロニシティ三題−−Ajax、Web2.0、G-Cluster編

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自己組織化アプリケーション問題のシンクロニシティ三題です。

非同期メッセージ型ウェブ・アプリケーション

まず、Life is beautifulのSatoshi Nakajimaさんのエントリー『Ajaxの本質、「非同期メッセージ型ウェブ・アプリケーション」のススメ』です。

Ajaxに関しても、全く同じ誤解が生じそうなので、ここで一言書いておく。Googleなどが進めている第二世代のウェブ・アプリケーションのアーキテクチャーの本質は、XHTMLやXMLやJavascriptにあるのではない。その本質は、

(1)アプリケーションの明示的なインストールが必要ない。
(2)サーバーとの通信を非同期に実行することにより、通信遅延によりUIをブロックしない。
(3)サーバーとのやり取りは、RPCではなく、メッセージで行う。
(4)データ・バインディングはサーバー側ではなく、クライアント側で行う。
(5)UIにインテリジェンスがあり、ある程度はサーバーに戻らずにユーザーとやり取りをする。

の5点にある。(以下略)

う〜ん、なんと見事な。こう明確にまとめて頂くと、自己組織化アプリケーションのアーキテクチャの、プログラムの部分はこれで十分。助かります。

しかしなんでこういった情報にたどり着くのか、まあこれがシンクロニシティなんですが、単にインターネットと言う理由ではなく、確実にBlogのトラックバックが作用した結果です。

The Web as Platform

次はCNETに載った伊藤直也さんの「はてながこだわるWebサービス提供の本音」から。

 現在、次世代のウェブを示す「Web2.0」という言葉がビジョナリー達の間でトレンドとなっています。今後ウェブにはどのような要素が必要となるのか、これまでの議論や実装の中から見えてきた新しいウェブの形がWeb2.0です。

 Web2.0では、「The Web as Platform(ウェブがプラットフォームとして振舞うこと)」が実現するとされています。OSがあらゆるソフトウェアのプラットフォームとなったように、Web2.0ではウェブサイトが他のウェブサイトのプラットフォームとなるのです。

 例えば、はてなはエンドユーザーからみればブログやオンラインアルバム、あるいはRSSリーダーなどのサービスを提供する「ウェブサイト」ですが、デベロッパーから見ると「アプリケーションプラットフォームの提供者」という別の顔を持っています。はてなが、ブラウザというインターフェースを通じてエンドユーザーから得たさまざまなデータを、デベロッパー向けAPIという別のインターフェースで、世の中に公開しているのです。エンドユーザーは日記を書くためにはてなを使い、デベロッパーは自分のアプリケーションを開発するためにはてなを使う。これがWeb2.0の形です。こうした次世代のウェブを実現するには、Webサービスによるコア機能の開放が必要不可欠なのです。

引用が少々長くなりましたが、以前筆者のエントリー「ブラウザ再考」や「ブラウザ再考(2)CP/MとMS-DOS」で議論した内容が、具体的な形になって来ていると言うことです。これを筆者はブラウザのOS化の動きと見なしています。アマゾンやはてなのアプローチとは天地逆になるのですが、目指すところは同じ場所です。

問題は最初のシンクロニシティ、Satoshi Nakajimaさんが指摘している(1)のインストールの問題です。三番目のシンクロニシティ、G-Clusterもそうですが、インストール不要こそ絶対条件です。更に(2)のUIのブロック排除を実現するのは、ゲームであれば尚更必須要件です。

そのためには、単にWeb側の機能だけでなくブラウザが果たすべき役割を無視するわけには行きません。なにせすべてのアプリケーションがこのブラウザの上で動くようになるのですから、ブラウザこそ、単なるインターフェイスではなくプラットフォームと呼ぶべき存在なのです。

G-Cluster

特別企画:新世代ゲーム配信技術“G-Cluster”の魅力に迫る!」から。

 PCゲームというと、プログラムをダウンロードしたり、CDやDVD-ROMから自分のPCにインストールしてプレイする……という遊び方が一般的だ。しかし、現在ファミ通.com プレイチャンネルで好評配信中の『機神咆吼デモンベイン』の体験版は“G-Cluster”(ジー・クラスター)という仕組みを使うことで、ゲームプログラムをインストールをしなくてもプレイできるという、新しい技術を採用している。

こちらは筆者のブラウザに昨日、いつのまにかブックマークされていた少々古い記事です(って自分がBMしたのにどう言う経緯でBMしたか思い出せません^^;)。

すでにこのG-Clusterの技術要件については一番目、二番目のシンクロニシティで述べた通りですが、こういった技術がブラウザの標準技術となれば、Webアプリケーションがどれだけ進化することか。

まだまだソフトウェア技術者の活躍できるフィールドは広大です。 KAI

(追記)
G-ClusterについてBMした経緯を思い出しました^^;。Satoshi NakajimaさんのBlogLife is beautifulの中の「ゲーム・オン・デマンドの時代」と言うエントリーを読んで、そのコメントの中にG-Clusterが出てきてました。いやはや、何と申しましょうか。