自己組織化するアプリケーション(第2部)(7)

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閑話求題その2

閑話と言いながら自己組織化アプリケーションの看板が掛かったままです。多少関係するかも、と言うことです。

CNETにSAPのオンデマンドビジネスに関する記事が載っています。

 SAPのCEOであるHenning Kagermannは、「オンデマンドアプリケーションが登場したとき、われわれはこれに対し慎重な態度をとるべきだと感じた。オンデマンドは、将来に通じる顧客ロックイン戦略ではない。オンデマンドアプリケーションサービスにより、顧客は自らの運命を第三者へ委ねることとなる。そして2年〜3年後、自らの運命を取り戻せないことに気が付く結果となる」と述べた。

 SAP幹部らは、オンデマンドのアプリケーションサービスプロバイダがプログラムの修正に対応しない場合、そのサービスを利用する顧客はビジネスのやり方を変更したり、業務改革を行ったりすることができなくなる可能性があると、強調した。SAPでは、アプリケーションが稼働するシステムの所有を可能にする仕組みと、オンデマンドでホスティングするアプリケーションの選択を可能にする機会を顧客に与えたいと考えている。

 「ホスティング会社になるつもりはない」とKagermannは述べた。

オンデマンド(ASPサービス)では、自社の業務改革に対応できない、ホスティング会社にロックインされてしまって身動き取れなくなると言う主張です。

普通のオンデマンドでは、この指摘は当たっています。

しかし、私たちが目指す自己組織化アプリケーションでは、これが解決されます。逆に、自社で所有する仕組みの選択の方こそ、その開発の継続という意味で開発会社にロックインされ続けることを意味します。

なぜ自己組織化アプリケーションでは、ロックインが解決されるのでしょうか。それは、一千社以上の業務変革を、たった一つのアプリケーションがすべて吸収して、次々と進化を続けるからです。一切カスタマイズと言う個別のバージョンは存在しません。つまり一つのアプリケーションの中に、業界の一千社の業務仕様がすべて実現されています。自社が、業界の一千社に先駆けて業務改革する内容は限られます。

もし、本当に業界で初めての変革であるなら、私たちは喜んでその改革を標準仕様に組み込んでしまいます。私たちのこの12年間の取り組みの結果が、これを証明しています。 KAI