マイクロソフトの技術力を革新するには

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同じことを考えている人がいました。

CNETの記事「ビル・ゲイツ、ソフトウェア開発者としての力量はいかに」の中で、

 歴史家にGatesという人物を評価させたら、おそらく彼の行った慈善事業が最も重要な業績として評価されるだろう。Bill & Melinda Gates Foundationが疫病の予防に果たした役割の大きさを考えると、そうした評価にもうなずける。

 しかし、技術者としてのGatesの能力となると話は別だ。Bill Gatesでなければ、間違いなくとっくに解雇されているだろう。

と、記者がゲイツの技術者としての能力を厳しく指弾しています。

前回のエントリーの中で、筆者は、

いまだにITの価値について、こんなレベルの理解にとどまっている人がいるとは、少々驚きです。

と書きましたが、マイクロソフトの技術力が今ひとつ、「壁」を突き破れない根本原因は、すべてこのゲイツの「理解のレベル」にあると言わざるを得ません。

件の記事に例示されている通り「Internet Explorer」「.Net My Services」「Longhorn」「セキュリティ」「検索」のどの分野をとっても、チーフソフトウェアアーキテクトとしての成果と言われるものが皆無です。

例えば「Longhorn」について言えば、以前のエントリー「自己組織化するアプリケーション(2)」の中でも取り上げた「闘うプログラマー」を読めば分かりますが、Longhornの技術の元になっているWindowsNTの技術自体、ゲイツは全く関与していません。DECでOSを開発していたカトラーが、その技術をマイクロソフトに持ち込んだものであり、ゲイツにOSを設計するだけの技術力があるわけではないのは明かです。

しかし、現在のLonghornの開発の指揮を誰がとっているか筆者には不明ですが、Longhornの開発が迷走状態であることに対する「チーフソフトウェアアーキテクト」と言う役職であるゲイツの責任は免れないと考えます。

しかも、以前のエントリー「ブラウザ再考(7)」で、

まずここに書かれているようにIEのOSへの統合化(OSのブラウザ化)です。マイクロソフトの方法は、オフラインとオンラインのアプリケーションを統合化したXAML(ザムル)アプリケーションと言う形で、Longhorn自体にブラウザ機能を持たせると言う、いかにもビルゲイツが好むWindows中心の考え方です。

と書いた通り、ゲイツにとってのXAMLがゲイツのルーツである「BASIC」言語であると言う「アーキテクチャ」に基づいて、Longhornがもし設計されているとすれば、これはマイクロソフトのみならずIT社会にとって悲劇以外何者でもありません。

もし、本当にそうであるなら、マイクロソフトの技術力には、今後期待すべきものはないのでしょうか。

これを打破する一つのアイデアがあります。それはサンとの合併です。今のサンは、確かに苦境に立たされていますが、技術力、特にOSの技術力に関して、圧倒的にマイクロソフトを凌駕しています。

ゲイツの引退と併せてこれが実現した暁には、「サンマイクロソフト」が21世紀の巨大IT企業として、IBMに対抗して君臨する姿が見えてきます。遅い初夢?(笑)。 KAI

p.s.最近Blogのコメントに対するSPAMが激しいため、当分の間、コメントをNONEの設定にしております。ご了解下さい。