自己組織化するアプリケーション(9)

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自己組織化するアプリケーションにとって、何が目的かという質問は無意味です。自己組織化とは、その目的と言う意味を否定することが、この理論の根本原理であるわけです。別な言い方をすれば、自己組織化するアプリケーションの対象とする目的としての環境が、ここで初めてアプリケーション自体を対象とし始めたと言うことです。

今までのアプリケーションは、今あるアプリケーションとはまったく別の環境を相手に、その環境、例えば清書マシン化した行政システム、に対していかに「効率的」で「将来性」があり、かつ「わかりやすい」かを訴えて、これをいかに置き換えるか、まるで受注効率以外無価値なセールストークのもとに設計され開発されるのです。これがうまく導入に至れば、果たして置き換える以前のシステムと一体何が進歩と言えるのか疑わしいばかりのシステムが跋扈するのです。

これとはまったく異なる世界こそ自己組織化するアプリケーションです。

ディズニーランドと言う聖地をイメージします。

ディズニーランドと言う聖地のない世界で、いくらミッキーをイメージしても、ミッキーワールドは理解できません。

今やアプリケーション自体が、アプリケーション自身に影響を与える、いや、影響以前の前提−環境として不可欠な存在になったと言うことです。

今回議論している意味はきわめて重要な概念を議論しているのですが、今回のテーマは一旦これでおいて、来週から別の視点で議論を始めます。 KAI

p.s.今までさんざんお世話になった梅田さんのBlogが最終回と言うことで、コメントとからめてTBします。