アプリケーションの最適環境(Google編)

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CNETのこの記事「グーグル、謎の人材募集--通信事業参入を検討か」に、久しぶりに触発されました。

 Googleは、世界中に張りめぐらせた光ファイバネットワークを構築しようとしているのだろうか。もしそうだとすれば、その理由は何なのか。

 先ごろGoogleのウェブサイトに掲載されたある人材募集から、このような疑問が浮上している。

 この人材募集ページには、「Googleでは現在、グローバルバックボーンネットワークを開発する作業の一環として、ダークファイバの評価、選定、契約交渉に関わった経験のある人を募集しています」と記載されている。

 ダークファイバとは、敷設されていながら使用されていない光ファイバのこと。米国内だけでも相当量のダークファイバが存在するが、オペレーションコストが高くつくことから、未使用のまま放置されているケースが多い。

 Googleの広報担当者は、この人材募集に関するコメントを控えている。だが、この人材募集からは、同社が通信事業に参入する準備を進めているのではないかといった大胆な予測をすることができる。このニュースの第一報を報じたのは、光ファイバ業界の情報を扱うウェブサイトのLight Readingだった。

 独自の光ファイバネットワークを世界中、あるいは米国中に張りめぐらそうと思ったら、数十億ドルものコストや数年の歳月がかかるものと思われる。企業の需要を考えても、投資費用を回収できるかは疑わしい。その点、通信事業者から敷設済みのファイバを借りて利用すれば、費用が安くつく。

筆者は以前、「Googleの本質」と言うエントリーで次のようなことを書きました。

Googleの技術の本質は、「ブラウザ+HTML+アプリケーションサーバー+データベースサーバー+ファイルシステム」の後に既存のOS(オペレーティングシステム)を位置づけたことにあります。この中の「+」で表現している部分がネットワーク(通信)になりますが、ネットワークスピードは技術の市場原理で黙っていても速くなります。従って、これらのエレメント技術を自社で握ってさえいれば放っておいても自社技術のトータルのパフォーマンスが向上していくのです。更に、ハードウェアにおいてさえ著しくファームウェアと言うソフトウェアに依存するRAIDを捨て、コモディティ化したハードディスクしか採用していません。

この「+」である通信までもGoogleは支配しようと言うのが、今回の記事の本質であると考えると、まことにきれいに説明がつきます。

企業の事業戦略とはかくあるべし、の見本です。おおいに参考になりました。 KAI